BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――円熟

f:id:boatrace-g-report:20171128144615j:plain

昨日1日と今日の前半、

たかがこれだけしかピット取材をしていない今節なわけだが、

いちばん姿を見かけたのは、実は西村めぐみである。

姫園記者の説によれば、好調だから目につくとかどうとかと

いうわけだが、実際そうなのかどうかはわからない。

3日目を終えて予選13位をどう判断するかが微妙なところだが……(女王を2度戴冠している選手ですから)。

それはともかく、西村の姿をピットで、

というか装着場で目にする機会は非常に多かった、という次第。 

たとえば昨日なら、対岸のビジョンに流れるリプレイを見るために

わざわざ出てきたり(控室にもモニターはあると思うのだが)、

もちろん自艇のもとでの作業もよく見かける。

その作業は全員がしているはずなのに、

なぜか目につく西村めぐみ。

やはり好調オーラを発散しているのだろうか。 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144631j:plain

もうひとり、よく見かけるのは岩崎芳美である。

こちらはフライングに散っているわけだから、

好調かどうかとは無縁の存在となってしまっており、

西村とはやや事情が違うだろう。それでもよく姿を見るというのは、

つまりそれだけ動いているということ。

そう、フライングにめげることなく、残りの戦いを全力で走るべく、

調整の手を緩めていないのだ。

これが産休からの復帰後即ドリーム、の原動力なのか。  

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144646j:plain

さらにもうひとりあげるとなると、武藤綾子だろうか。

武藤は予選12位。こちらも西村同様、

調子についてはどう考えていいのかは判断がしづらい。

それでも、だ。05年に大村女子王座で優出した後、

ここ数年の武藤は女子王座では苦戦気味だった。

やや影が薄くなっていたことは否めないところだろう。

それを思えば、やはり好調と言うべきなのか。

あるいは、04年の多摩川女子王座で優出しているように、

是政の水が合っているのか。ともあれ、

今朝の武藤は早くから調整に励み、

予選突破を確実にすべく奮闘していたというわけだ。  

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144659j:plain

これは違った意味で、というべきなのだろうが、

選手班長の渡辺千草も、なにしろ班長の仕事があるのだから、

よく見かけることになる。ほんと、ご苦労様です! 

もちろん、班長の仕事をしているだけではなく、

自身の戦いの準備もしっかりとしており、

つまり今節でもっとも多忙な選手というわけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144715j:plain

1R後、4着に敗れた高橋淳美と話し込んでいると、

そこに久保田美紀、福島陽子が集合。

高橋が控室へと戻っていくと、3人で出走表をにらみながらの

情報交換が始まっていた。これがかなり長い時間に及んでおり、

顔つきは真剣そのもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144730j:plain

福島以外は予選突破も厳しい状況

(福島は5Rで勝負駆け失敗となってしまった)、

しかしもちろん目の前の戦いには全力で臨む。

ピットではこうした光景はもはや当たり前のものであるわけだが、

彼女たちが重ねてきた経験を思えば、

その意味は深いと言うしかない。 

女性に年齢の話をするのは失礼なのではあるが、

それでも彼女たちの円熟味というものを強く思う。

男性であれ女性であれ、刻んできた年輪と、

それが醸し出す雰囲気というものは、やはり美しいものなのだ。

たぶん、彼女たちの立ち居振る舞いが目につくのは、そういうことだ。時に若いコに目を奪われているオッサンであることは否定しないが、

修羅場を多くくぐり抜けてきた戦士たちには

彼女たちにしか出せない風格が確実にあると思う。  

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171128144743j:plain

というわけで、日高逸子。グレートマザーの風格は

今節もしびれるほどに伝わってくるわけだが、

もっとも尊敬すべきは、一秒も無駄にしたくないとばかりに

キビキビ動く、その姿勢であろう。

まるで新人のように小走りで移動している姿には、

本当に頭が下がる。やはり畏敬すべき人なのだ。

その一方で、「あぁ~、水神祭、見逃しちゃったぁ~ん」と

かわいらしい声を出してたりもして。

それにしても日高さん、本気で樋口由加里の水神祭を

見られなかったことを悔しがってたけど、

まさか今日も飛び込むつもりだったのでは……? 

お茶目なグレートマザー、最高だ!

 

 

(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)