BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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総理杯 4日目TOPICS

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 準優勝負駆けの総理杯4日目。水面は昨日同様に穏やかで、選手たちは思い切ったレースができたはず。本日のインは計8勝。さすがに機力やスタートが揃ってきて、戸田といえども外からの攻勢が易易とは決まらない。特に機力劣勢なメンバーの揃ったレースでは、インがスタートを決めさえすれば、壁なしでも逃げ切れている。明日、準優組が抜けた一般戦では、インのスタート力をまず真っ先に考えてその取捨を決めるといいだろう。1号艇アタマの2連単でも、本日の最低配当は410円。インから2連単4点勝負でもプラスにできる配当ならば、本命党は堅そうなレースに厚く張れる。対して穴党の狙い目は、機力上位ながら惜しくも準優入りを逃した選手たち。郷原章平が3号艇にいる9Rなどは、インの田村隆信とて盤石とは言えないだろう。

 

○本日のレース結果と反省点 さて、いよいよ予選が終わって準優進出者が決まった今日のレース。準優進出者を中心に、ここまで取り上げてきた好気配の選手たちの取捨を考えていこう。

 

松井繁

吉田拡郎

 

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 今日の1走5号艇を3着で乗り切り、予選得点率7位で準優に進出した松井繁。オールスローの5コースから、4コース攻めた芝田浩治の内に切り込んでいったが、一瞬だけハンドルの入りが遅れた印象。機力活かした西山貴浩までは届かずとも、2着の池田浩二は充分に射程圏だっただけに、ちょっと惜しまれる内容だった。総合力で勝負するタイプの機力なので、どちらかといったら内コース向き。明日の12R3号艇は2号艇・吉田拡郎の出方が鍵。万が一、伸び仕様の吉田がダッシュに回るようならば、今垣光太郎を差し抜く足はある。

 

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 まさかのスタート遅れでまったくレースをさせてもらえなかったのが吉田拡郎。これまでの貯金で準優2号艇を手にしたが、足落ちの気配を指摘せざるを得ない。スタート展示で2日目の迫力には及ばず、また、スタート練習でも伸び切るところまではいかなかった。本番レースはスタート遅れが大きいが、そこからの足もやや強めといった程度。今日はチルトを0度にして、セッティングを変えてきた吉田だが、明日の2号艇をどんなセッティングで挑むか注目したい。2日目11Rの足に戻れば、1号艇の今垣を1マークまでに交わしきってしまえそうだが。

 

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 初日に続いて連勝した今垣光太郎は伸びや回り足といった感じよりも、とにかく力強さが目立つ。

 4Rでは2コースから外の白井英治にまくられつつも、引き波を越えながらバックストレッチで伸びている。初日7Rで吉田拡郎のまくりの間隙を突いたのと同じような展開。展示や足合わせで目立たないので、あまり取り上げてこなかったが、極めて実戦的な仕上がりだ。正直なところ、この機力で今垣光太郎以外の選手が乗っていたら、予選トップ通過など夢のまた夢だったろう。気力で走るタイプの今垣だからこそ、揉まれて強いこのモーターの特性を活かせているのだ。

 

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 今日、1着2着で予選2位通過した坪井康晴も足は完全に仕上がった印象。5R4号艇ではスリットから1艇身伸びきり、1号艇の秋山直之以下を撫で切りしている。続く10Rでは6コースから内に切り込んで2着を確保。5コース・瓜生正義との伸び比べを1艇身出切るまでの足はなかったが、バックストレッチ、福田雅一を立ち上がり一気に2艇身突き放している。出足から行き足が優れた実戦タイプなので、準優、優勝戦のゴチャつくレース展開では大きなアドバンテージ。明日の1号艇は外に伸び切られないようにスタート行けるかが鍵だ。

 

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 西山貴浩は相変わらず好気配。今日の7R1号艇では、攻めてきた芝田浩治を軽く制して先マイ逃走。池田の狙いすましたかのような差しに対しても、まったく危なげなく逃げきっている。明日は11R5号艇。枠なりならば4号艇・湯川浩司の外。今日までの見立てではスリット同体で湯川を覗く伸びはある。西山を制して湯川が先攻めしてくれるようならば、まくり差しての突き抜けも充分に考えられよう。

 

 準優組に関しては、機力に疑問符の付く選手にも軽く触れておく。

 

市川哲也

瓜生正義

湯川浩司

篠崎元志

 

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 本番レースだけでなく、足合わせやスタート練習などを4日間ミッチリと見続けてきたが、この4選手に関しては、機力よりも「気力」や「スタート力」、そして「腕」で勝ち上がってきたイメージが強い。もつれる展開になるとツライので、舟券戦略の参考にしてほしい。もっとも、彼らのような超一流選手は、1日で気配がガラリと変わる。特に市川哲也と瓜生正義は初日から念入りに試走を繰り返している。当たりが出た時の彼らの強さは、ボートファンならば語るまでもないだろう。

 

最後に、惜しくも準優に届かなかったが昨日までのレポートで取り上げているこのふたりは、一般戦で別格の機力。

 

丸岡正典

郷原章平

 

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 また、本日上昇が目立った特注選手として、島川光男と鎌田義、そして、松尾昂明の名を挙げておく。島川光男は今村豊や瓜生正義と足合わせで同体。鎌田義はその島川光男と同体。松尾昂明は相手が確認できなかったのだが、足合わせで1艇身の先着があった。たとえワースト級が相手でも穴の資格充分なパワーに上昇している。

 

 

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 最後になったが、本日でお役御免となる俺・担当Gとしちゃ、我がホームプール戸田のヒーロー・中澤和志に絶大なエールを! 機力&気力は最高潮。10Rの準優2号艇も機力ならばメンバー随一と断言したい。あとは、スタート! 選手班長でもある今節の中澤は、その責任感からかスタートが攻めきれていない。本来はスタート一撃が中澤の魅力。いつぞやの1日2本のFや、昨年の戸田周年のFだって、戸田ファンにとっては素晴らしき伝説。2日後の12Rで、ゼロ台スタート決める中澤和志の勇姿が見たい!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/担当G)