BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――3日目の朝は閑散

 3日目の午前ピットは閑散。SGでは、ほぼ毎節、見られた光景だった。新プロペラ制度になっても同様。今朝は、整備室にもペラ調整所にも、人影は少なかった。試運転に出ている選手は多かったが、切羽詰まった整備や調整をしている選手は皆無。制度が変わろうと、SGクラスの戦いぶりが変わるわけではない。

 

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 整備室で見かけた選手は、昨日に引き続きゲージ調整をしている峰竜太。

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そして、ついにこの作業を始めた今村豊である。今村は昨日、電気一式とギアケースを交換しており、足は上向いた様子。それもあって、ゲージ作りの作業に取り掛かったのだろう。今でも若々しいミスターも50歳、さすがに細かい作業には老眼鏡が必要のようだが、逆に言えば、その年齢になっても革新的な強さを見せつけているのだから、凄すぎる。ワタシも最近老眼がやってきておりますが、うむ~、見習わねば。

 

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 ペラ調整所には、原田幸哉。原田といえば、昨年はノーハンマーで戦ってきた男だが、今節は池田浩二らと一緒に、かなり入念なペラ調整を行なっている。昨日までは装着場にあるペラ室で叩いていたが、今日は屋外調整所に移動しての作業だった。

 そんな原田のもとに大嶋一也がやって来て、ニヤニヤと様子を眺めている。さらには池田もあらわれて、からかうような視線を向けていた。なんか文句あんのかよ~的な笑みを返す原田は、二人が離れていったあとも、真剣な表情に戻ってペラ調整。ノーハンマーの時期を経たことで、新たな原田幸哉が誕生するかもしれない。

 

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 2R、重野哲之がナカシマのペラに交換して出走している。昨日ナカシマを使用し、今日はヤマトに戻して1Rを豪快にまくり切った笠原亮が、「重野さん、ナカシマですよ!」と教えてくれていた。

 重野は2着! 笠原は無念の結果となっていたが、重野は上々の着順を獲ることに成功した。しかし、ピットに戻ってきた重野は終始、苦笑いを見せている。菊地孝平らに話しかけられながら、時に首をひねったりもしていた。2着ではやはり納得できないか、それともピット離れで寺田祥に出し抜かれて5コースになってしまったことに落胆していたのか。勝ったのは、4コースを獲った寺田だったのだから、枠番通りの4コースだったら、という思いは消えないだろう。ナカシマに換えたことが原因? 後半9Rは5号艇、重野が使用するペラは?

 

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 で、勝った寺田祥だが、もともと細くて切れ長の目がさらに細くなる瞬間があった。コース獲ってまくって1着、これは会心だろう。とはいえ、比較的淡々としているのは、クール・テラショーらしさか。ちなみにこれが、今節初めてのダッシュ戦からの勝利であった。

 

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 さて、1Rで日高逸子が転覆している。けっこう激しい転び方に見えたので、直後はやや心配されたが、大きなけがはないようである。仲間が転覆整備の準備をしているところへあらわれて、「すみませんでしたーっ!」と元気な声を響かせていた。まずは何より、である。

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 転覆整備の準備をしていたのは、もちろん瓜生正義、篠崎元志、西山貴浩、峰竜太という九州勢だが、もうひとり、重成一人も加わっていた。う~ん、優しい! 手が空いていて、たまたま整備室にいたから、ということのようだが、それでもその気の利き方、気の遣いっぷりは、人格者らしいと言うしかない。応援したくなりますね!

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)