BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――変貌

 選手の顔と名前を一致させる――新鋭王座の前検から2日目くらいまでの恒例となる作業。

半分くらいは初見の選手がいるため、なのであるが、今回はBOATBoyの新鋭王座特集で全選手の写真掲載を担当したため、すっと覚えられる選手が多かった。

それでもまだピンと来ない選手はいるものだが、それでも写真で見た記憶はあるという選手ばかりで、おそらく明日じゅうには全員を認識できるようになるだろう。

 

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 で、ただ一人、どうしても写真で見た記憶も、いったい誰なのかもわからない選手がいた。

坊主頭の若者なのだが、あなたはいったい誰なのでしょう?

 驚きましたな。ハンドルの調整をしている彼のボートには「濱本」とあった。1月の新鋭王座でも会ったばかりの濱本優一なのである。

1月の写真も掲載するので、比べてみてください。わからなくて当たり前でしょ? BOATBoyに乗った写真は当然1月のものだから、記憶にも残っていなくて当然だったのだ。

 この変貌ぶりは、多くの人に指摘されるらしい。「心境の変化?」とか「気合のあらわれ?」とか、みんなに言われるのだそうだ。

もちろん僕もその両方を投げかけて、濱本を苦笑させている。

青山登さんによれば「1月の新鋭王座で情けない成績に終わったから」とのことだったが、当初はそういう意味で坊主にしたとしても、今はもう関係ないはず。

濱本選手、今節はあと20回くらいは聞かれるだろうから、適当な回答を用意しておいたほうがいいと思います(笑)。

 

 

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 濱本は髪切ってヒゲ沿っての風貌チェンジだが、久しぶりに会って雰囲気が変わった選手も少なくない。たとえば和田兼輔。1月の王座には事故率で出場できなかったので、約1年半ぶりの再会となるわけだが、一言で言って、ずいぶんと大人っぽくなった印象である。

宮島で会ったときには、人懐っこくかわいらしいタイプと感じたものだが、徳山ピットでの和田にそうしたイメージはない。

いや、人懐こいのは相変わらずなのではあるが、表情がぐっと男っぽくなっているのはたしかだ。

 

 

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 青木玄太も変わったと思う。和田と同様にかわいらしいタイプというか、宮島で会ったときには失礼ながら女の子にも見えたほどだったが、芦屋でやはり男らしさが増したように見え、ここ徳山では実に力強くたくましい表情になっていた。

これは言うまでもなく、成長とでも呼ぶべきものであって、経験を積んでよりレーサーらしくなったのだと言うこともできるだろう

。年に一度の新鋭王座(今年は二度だけど)は、こうした若者の変化というものを感じられる。それもまたこのシリーズに来る楽しみのひとつだと言える。

 

 

 

 

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 さて、今節の主役的存在としてシリーズを引っ張っていくのは、もちろんドリーム組である。

1月の王座につづきドリーム戦出走となったのは茅原悠紀と西村拓也で、水摩敦は昨年の宮島王座で優出を経験。

それ以外の3人は、もしかしたら共同記者会見のようなものって初めて?

 前田将太は落ち着いたものだったが、深谷知博がちょっと緊張気味に報道陣の前に座った姿はなかなか初々しかった。

 

 

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 会見を終えると、西村拓也はまずリードバルブの調整に向かっている。タイム測定のあとにはプロペラ調整を始める選手が圧倒的に多かったのだが、西村だけが違う動きをした。会見でも本体を見るということを言っており、予定通りの行動だろう。ただし、決して手応えが悪かったのではなく、高勝率モーターのため、しばらく使用されていなかった影響か、回転が上がっていなかったそうなのだ。それを上げるにはまず本体ではないか、とメドを立てた西村。「いい感じになると思います」と完全に調整の方向をつかんでいる様子だ。こうした感性の鋭さもまた、ドリーム組たるゆえんだろう。 なお、会見で手応えの良さを口にしていたのは、茅原と山田康二と深谷だ。

 

 

 

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 それにしても、新プロペラ制度導入から、節を追うごとに前検日にペラを叩く選手が増えている気がする。今日も整備室の一角にある調整所は満員御礼。それぞれの形や叩き方が出来上がってきているのだろう。

茅原悠紀も早々にプロペラを叩きはじめ、井上大輔がゲージを当てているところを覗き込んだりする場面もあった。

H記者の前検チェックは多くはこの調整前のもの。H記者の見立てを頭に叩き込みつつ、ペラを叩いたことによってどう気配が変わっていくかを注目してほしい。若武者も頑張る。我々も舟券頑張りましょう!

 

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)