BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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徳山・新鋭王座TOPICS 4日目

DR戦士、散る。

 

 

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上下の実力差が激しい新鋭王座決定戦。

それだけに、ドリーム戦士の強さが際立つシリーズになるはずだったのだが……2人のドリーム参戦レーサーが消えた。 

まず、2Rの山田康二は1着でも5・83という絶体絶命の勝負駆け。

山田は4カドから攻めた。1マーク、混戦を縫うような

難度の高い割り差しで2、3番手をキープ。

さらに1周2マークは、「これぞSG級」と唸らせる超高速モンキー差しで、先頭・高山の懐に舳先をぶっ刺した。

ホーム併走、内には山田。こうなれば、誰であっても負けるレーサーではない。はずなのだが……今節の山田は、こんな競り合いのときに、

なぜかテンパッてしまうのだ。2周バックで高山に追い付かれ、

2マークでは再び超高速モンキー差しを決めようとして……

おもむろに振り込み、後続艇に接触して万事休した。

1着勝負駆け成功どころか、妨害失格で賞典除外に。

今節の山田は、とにかくリズムが悪かった。

それが足のせいなのか、メンタルのせいなのか、私にはわからない。  

 

 

 

 

 

 

 

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9Rでは、深谷知博が同じく1着勝負駆け。

昨日のイン戦は高山の前付けで苦戦を強いられた深谷。

今日はお返しとばかりにピットアウトから動いたが、

誰一人としてそれを許さなかった。ならば、と内5艇に

プレッシャーをかけるだけかけて、6コースの単騎がましに。

アタマ決め撃ちで勝負していた私は、

この颯爽たる単騎の姿にそぞろときめいたが……

コンマ07の火の玉スタートでも、身動きひとつとれなかった。

4カド大池佑来の全速コンマ04の迫力が、深谷のそれを上回った。 

この冬の芦屋・新鋭王座、本人もビックリの待機行動違反で

優出を逃してから8カ月。そのリベンジを晴らす前に、

V戦線から消えた。無念だろうが、

深谷にはあと2回もリベンジのチャンスはある。

競輪のフカヤトモヒロに追いつき追い越せ、

落ち込んでいるヒマなんかないぞ、深谷知博!!

 

 

 

 

キラリ~ン西島差し!!

 

 

 

 

 

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今節の私のイチオシキャラ船岡洋一郎(広島)が、やってくれました!! 今日の『ベスト・オブ・勝負駆け』はこれっきゃないでしょ。

転覆減点のビハインド6号艇でメイチ①着勝負だった8R、

船岡はピットアウトから迷うことなく内枠を攻め、

ガッチリ2コースを奪った。「お、お前は、西島か??」  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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さすが広島の“仁義なき競艇”で育った男は違う。

怒涛の前付けから、1マークはこれまた

決め撃ち全速・西島流の激辛差し。まあ、これは褒めすぎだが、

とにかく2コース差しでバック勝負に持ち込んだ。

態勢としては3番手。が、最内から伸びて伸びて伸びて、

ついに先頭・磯部誠の内に舳先を突っ込んだ。

 

 

 

 

 

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2マーク、狭く厳しい角度で先マイ。超抜・磯部の差しが迫る。

2艇が並びそうになったとき、船岡はグイッとハンドルを内に入れ、

磯辺に艇をぶつけて絞りきった。このド迫力絞りもまた、豪腕・西島流。山口剛もよくやるから、広島流か。

これでたまらず磯辺(2着条件)が艇を引き、

豪快強引痛快な1着勝負駆けを決めてしまった。

 

 

 

 

 

 

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節間成績はといえば、31転221。転覆の部分を隠してしまえば、

トップ当選もありえる堂々たる予選シリーズだった。

船岡クン、今日のキミはいつにも増してピッカピカに輝いていたぞーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

W勝負駆け成功

 

 

 

 

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運命の悪戯か、前半成績のあれやこれやが影響して、

12Rは予選1位~4位の直接対決となった。

直前のランキングは

1位・茅原悠紀 8・00…4号艇

2位・坂元浩仁 8・00…1号艇

3位・松崎祐太郎 7・60…3号艇

4位・佐藤 翼 7・50…5号艇  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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12Rが終わって、誰が予選トップに立つか……

この4者の成績ごとの相関関係は複雑すぎるが、

最も重要にして単純明快な決まりごとがひとつだけある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1着を獲った者が、予選トップ確定。 なのである。

勝っちゃえばいいのである。実にわかりやすく、

しかもスリリングな直接対決なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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だがしかし、ボートレースは4艇立てではない。

ここにもうひとり、趣の異なる勝負駆け選手がいた。

6号艇の川下晃司(広島)。18位ボーダーを突破するには、

2着以上が必要だった。ピットアウトから川下が動く。

スタ展では激しく抵抗した茅原が、本番ではこの前付けを許容した。

暫定トップの茅原には、「2~4位の3人よりも、

とにかく先着さえすればいい」とオプションがある。

もっとも厄介な同期(1号艇の坂元)を深インにすることは、

かなり有効なトップ戦略のひとつといえるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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坂元の起こしは、100mをわずかに切ったあたりだった。

茅原が進入を緩めたことで、坂元もスタ展より

助走距離を稼ぐことができたのだ。そして、コンマ13。

絶妙のスタートから、センター勢に覗かれても慌てず騒がず、

しっかりと逃げきった。つまり、1マークの出口で、

明日の12Rの1号艇が事実上決まったのだった。 

2着には伏兵の川下。8Rの船岡洋一郎に続いて、

6号艇からの前付けをまんまと成功させてしまった。広島勢恐るべし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝家の宝刀のようにキラリ輝く西島のあれやこれやを、

船岡&川下はこれからもガッチリ引き継いでほしいぞ。

 

(photos/シギー中尾、text/H)