BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ヒリヒリ!

 

 

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開会式の記事をアップしてピットに急ぐと、

まず出会ったのがめっちゃ怖い顔をしている白井英治。

ほとばしる気合、とすぐにメモを走らせる。 

昨日の前検ピットは、記事にも書いたとおり、

それほど「スーパー勝負駆けの緊張感!」を感じたわけではなかった。だが、やはりレースが始まれば選手たちのスイッチもオンになるということだろうか。いきなり白井の気迫あふれる表情を見て、

やはりこれはチャレンジカップなのだと思い返す。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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3R後の吉田俊彦も同様だ。道中逆転で2着を獲り切り、

上々のスタートに表情も緩むのかと思いきや、

レース後にヘルメットを脱いであらわれた顔はなんとも

凛々しいものだった。初戦2着への安堵や充実感はあるのだろうが、気持ちの張りをゆるめるつもりはまったくない。

ここが夢の舞台への正念場だと思えば、

2着1本で満足している場合ではないだろう。 

白井は11位でチャレンジカップを迎えた。トシは26位。

しかしオーシャンカップの優勝戦1号艇を活かせていれば、

圏内でこの舞台に立てたはずだった。

二人とも、背水の陣の意気込みで臨む一戦なのだ。

そんな雰囲気が伝わる白井とトシの表情。

そのヒリヒリした感覚は、なかなかに快感だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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一方で、湯川浩司は笑顔を見せた。こちらの姿に気づくと、

目をぱっと見開いて、にこりと笑ったのだ。そして「すぅ~」。

湯川語で「おはよっすぅ~」の略語である。

これが出るときの湯川は、ずばり、エンジンが出ている。

少なくとも、調整の方向性も含めて、好感触を得ている。

モーターの仕上がりが表情に出やすい一人なのだ。

たとえばダービーでは、すれ違って目が合っても、

軽く会釈するくらいで、仏頂面で通り過ぎたものだった。

今節は、初日からいきなり人の好い笑顔を見せているのだから、

これは間違いなく好調のサイン! 

ちょうど今、目の前で2着となったが(5R)、

このあとも注目してみよう。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銀河系軍団では、ドリーム1号艇の井口佳典が本体を割っていた。

手応えが良くないことは昨日の会見でも口にしていたものだが、

ドリーム公開インタビュー後にさっそく整備を始めたというわけだ。

それでも、井口の表情は決して暗くはなく、

森高一真と談笑する姿も。2R後には整備を終えて

モーターを装着もしていたから、それほど悲観的にはなっていないようだった。 なお、平本真之も本体を割っており、

中村亮太は2R後に不満げな顔つきで整備室に飛び込んでいる。

整備の効果は果たして。

 

 

さてさて、その中村亮太のエンジン吊りで

笑えるというかかわいらしいやり取りが。  

亮太は2R1回乗りだが、整備室に入ったように、

まだ今日の仕事を終わらせるつもりはなかった。

もちろん試運転にも出るつもりだろう。

そのため、九州勢は亮太のボートを停めておく

スペースを探したのだが、これがなかなか見つからない。

児島のピットは決して広くはなく、まだ多くの艇が装着場にあったから、スペース探しも大変だったのだ。

亮太は「奥でいいよ」とボートを引っ張る岡崎恭裕に伝え、

ボートリフトや整備室から遠い場所でもかまわない旨を

表明していたが、それを見た日高逸子が叫んだ。

「ここ空いてるよーっ!」  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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日高のボートの隣に、隠れたスペースがあったのだ。

しかし、その頃にはすでに亮太のボートは奥に向かって

進みだしていた。唯一、日高の声に気づいたのは深川真二。

「ん? もういい」 日高さん、声かけるのが遅いっすよ~、

というのを冗談めかしてぶっきらぼうに表現した深川。

なんか仲のいい夫婦みたいなんですけど。すると日高は……。

「てへっ」 萌えっ! 照れくさそうなグレートマザー、

本当にかわいらしかったです、はい。

 

 

 

 

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)