BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――盟友

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075505j:plain

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075514j:plain

係留所に松井繁と服部幸男の姿。

足合わせをしたのか、かなり長いこと話し込んでいた。

この二人が並んでいると、どうしたって目を奪われる。

若いスターも続々生まれ、短期の成績では彼らを上回る選手だって

いるというのに、この二人が揃ったときに発散される強烈なオーラは、絶対に誰もかなわない。二人が積み重ねてきたもの、

結んできた信頼が抜きんでているのは当然なのだ。

この盟友同士は、まさに艇界の宝ではないだろうか。というわけで、

朝イチで僕は長い時間、二人が会話を交わしている様子を

ただただ眺めてしまったのだった。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075542j:plain

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075733j:plain

1Rが終わり、淡々とした表情を見せていた

深川真二の顔がぱっと弾けた瞬間があった。

同じレースを戦った馬袋義則が歩み寄ったのだ。

深川が2着で馬袋が3着。道中では馬袋が

深川にかなり接近した場面もあった。同じ釜の飯を食った同期生との戦いを振り返り合うのは、他の選手との感想戦とはまた違ったものがあるのだろう。レース後の会話としてはかなり長いと思えるほど、

深川と馬袋は話し続ける。深川も馬袋も笑顔で、時に声を張り上げて。ひとたび水面に出ればライバルとなる相手と、陸の上では盟友の契りを結ぶ。真剣勝負の源泉は案外こういうところにあるものである。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075813j:plain

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075826j:plain

2Rが終わり、エンジン吊りも一段落つくと、

湯川浩司はなんだか手持無沙汰な様子を見せていた。

いったんは控室に戻ったのだが、また装着場に出てきて、

ゆったりゆったりと歩いていたのだ。そのとき、

ボートリフトのほうから森高一真がペラを手にあらわれた。

今朝の森高は試運転に励んでおり、

その手応えをもとにペラ調整をする心づもりだったのだろう。

ペラ室に向かって歩く森高に、湯川は大きく手を振った。

気づいた森高に、湯川はさらにどこかを指さす仕草。

森高がペラ室に入ると、湯川は選手食堂のほうに向かって

歩いて行き、数秒後に森高もそのあとを追った。

ヒマそうな湯川が森高に休憩しようと誘った感じ? 

特に言葉を交わしてはいなかったから、

仕草だけで湯川と森高は通じ合ったということか。

さすが銀河の盟友コンビ。 で、この湯川浩司はすなわち

「エンジンが出ている」のである。手持無沙汰になったかのような

湯川をこれまで何度も見てきたが、すなわちエンジンいいからやることがない、ということ。そんなときの湯川はまるで散歩でもするように、

ピット内をゆったりゆったり歩いている。こんな湯川、

久々に見たような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206075940j:plain

さてさて、3日目というのは整備室ががらんとするもので、

今日もやはり1R展示後には人影がまったく見当たらなかった。

1Rがピットアウトすると、にわかに選手が集まってきたが、

整備をするわけではなく、整備室のモニターでレースを

観戦しようという選手たちだった。このクラスになれば、

問題は即座に見つけて、素早く解決する。

3日目の朝に整備室が閑散となるのは、

SGではおなじみの光景である。 その整備室に駆け込んだのは、

今垣光太郎だった。1Rを終えて、手早く着替えを終えた今垣は、

まずはルーティンのボート磨きを行ない、

続いてモーターを整備室に運び込んでいる。

1Rは競り負けるようなかたちで着を落とし、

パワー不足をさらに実感したのだろう。これはなんとかしなければ、と今垣は動いた。昨日の西島義則と同じ動きで、

これはまさしく光ちゃんらしさだと思う。

今垣がしたのはキャリーボディー交換。

これが光ちゃんの足色にどんな影響を及ぼすのか。

8Rを注目してみよう。6号艇だけに、動きがあるかも!?

 

 

 

 

 

 

(PHOTO/中尾茂幸=服部、松井、森高 池上一摩=馬袋、深川、湯川、今垣 TEXT/黒須田)