BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

エース64号機は吉田弘文の手に!!

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 ここは、住之江か??

 一瞬、心が400kmほどワープした。いやいや、ここは間違いなく平和島だ。東京支部の、そして私のホームプールだ。

 だが、抽選会場の空気を支配しているのは、誰がどう見ても大阪支部の面々だった。壁に貼られている今節のポスターを指差して、田中信一郎が大声で笑っている。

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隣の松井繁がそれに釣られるように爆笑する。その隣の太田和美も笑顔。その後ろの湯川浩司と丸岡正典は別の話題で談笑している。とにかく笑顔、笑顔。会場の中のこの一隅が、眩いばかりのオーラを放っていた。そりゃそうか、凄いメンバーだもんなぁ。5人でSGトータルいくつか数えようとして、私は途中で諦めた。

 それは、ガラポンを回す時も変わらない。松井が取っ手を掴むと、カメラのフラッシュが一斉に焚かれた。王者はニンマリ笑って

「俺、今節はドリームとちゃうよ~」

 会場がどっと沸く。うっかり2連率27%の低調機を引いてしまった太田も口元を緩めることなく

「かーーっ、27%って、そんなんあり?ここ(SG)に出てきていいん??」

 モーター的には玉石混交の大阪支部だったが、こと“オーラ”に関しては他の支部を圧倒していた。3人体制の東京支部も含めて……この場の流れは、おそらくピットにも反映されることだろう。アウェーなのに、一塁側ベンチ、みたいな。今節の大阪支部は怖い、とお伝えしておく。ま、いつもメッチャ怖くて強いんだけど。

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 さてさて、モーターの話に移ろう。「平和島の不動のエース機、一枚看板」と呼ばれる64号機を引き当てたのは、福岡の吉田弘文だった。その番号が読み上げられた瞬間、場内のあちこちから「お」「おお~」「出たっ」などの歓声が漏れた。そうしたリアクションがなされたモーターは、他では1機たりともなかった。引き当てた吉田自身も微かに唇を緩ませ「うん、頑張ろー」と自分に言い聞かせるように呟いた。1年前の新プロペラ制度から進境著しい吉田コーブン。鬼に金棒で、頂点まで突き抜けるか??

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 全選手の中で、もっとも鬼気迫るオーラを発していたのが赤岩善生だ。マスクで口許は見えなかったが、その眼光の凄まじさは誰をも寄せ付けぬ迫力だった。ギンギラの眼で引いたモーターは、37号機。今節のホームを担う窪寺記者(日刊スポーツ)が『S』ランクに指名している超抜機だ。まさに、気合で引き当てた、という風情だった。その数字を聞いた赤岩は、前節の出走表に目をやった。鋭い眼光のまま「37」を探す。私がそっと「窪寺記者のパワー閻魔帳」を差し出すと、37号機の機歴とコメントに目を通してから「うんうんうん」と3度頷いた。さらに眼光が強くなったように見えた。

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 穴っぽいところでは、60号機を引いた『テクニカルエリー』三浦永理だろう。素性は30%程度なのだが、最近の上昇度はピカイチなのだ。前節の出走表を見て「30%かぁ」という落胆の表情を見せたエリーにも、私は窪寺閻魔帳を開示した。このモーターで優勝した烏野賢太の「完璧やね」というコメントを目に止めた三浦は、「烏野さん?」と呟いて後ろを振り返り、その姿を確認したのだった。何かヒントを掴めるといいね、エリー。

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 もうひとり、大阪支部きっての肉食系まくり屋、名付けて『せんとくんツケマイ』を得意とする?丸岡正典が、トップ級の伸びを誇る39号機をゲットした。どんだけスリットから絞ってくれるのか、丸ちゃん! 怖い怖い大阪支部の中でも、いちばん警戒すべきは丸岡の一撃まくりとみた!

 

'今節の注目モーター

◎64号機(52%)…吉田弘文

○22号機(47%)…山本寛久

▲39号機(44%)…丸岡正典

△37号機(41%)…赤岩善生

△75号機(31%)…坪井康晴

穴60号機(30%)…三浦永理'

(photos/中尾茂幸、text/畠山)