BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――フレッシュ!

 2013年になったからといって、SGの風景は変わらない。我々が媒体をお引越ししたからといって、SG前検の様子が変わるわけはないのだ。

 それでも例年、総理杯はなんだか違って見える。ついこの間の出来事のように思えてならないが、前のSGである賞金王決定戦は3カ月も前のこと。久々のSGであるし、また今年はこうしてビッグレース取材の場に立つのがまさしく3カ月ぶりでもある。やけに新鮮な思いになるのが必然なのか。

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 おそらく、メンバーが新鮮であることも大きいのではないかと思う。たとえば、SG初出場の村上純。これまでSGに出たことがなかったのが不思議と言うべき実力者が、ついにこの舞台にやって来た。その男っぽい顔つきはもちろん初見ではないが、SGで見るとなお力強く見えるというもの。岡山勢は平尾崇典、山本寛久、吉田拡郎、茅原悠紀と陣容が揃っているだけに、初めての舞台でも地力を発揮する環境は整っていると言えるだろう。

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 SG初出場といえば、井川正人! 昨年の名人戦を制して、ここに辿り着いた。SGのピットでもダンディなヒゲが光っているぞ! そのたたずまいもなんとも若く、見ているだけで元気がもらえそうだ。たまたま昨日、名人戦の過去の写真をさらっていて、7年前の名人戦でもその姿があったことを確認。さらに現在と風貌がまったくと言っていいほど変わっておらず、その若々しくハツラツとしたたたずまいに感心させられたものだった。初のSGでも奮闘を! 水神祭を期待しておりますぞ!

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 SGはすでに2つもタイトルを奪取しているが、田頭実の姿もなんだか新鮮に思えてしまった。あの峻烈な速攻劇がふたたびSGで見られる! それはある程度のキャリアがあるファンにとっては嬉しいことに違いない。すでにベテランの域に突入していることもあって、今日のピットでは貫録充分でしたぞ。この総理杯でもコース動いてスタート踏み込んで、大暴れしてもらいたい。

 

 ところで、この季節のピットではマスクをしている選手を数多く見かけるもの。そうです。花粉症ですね。私は幸いにもまったく症状が出ない鈍感体質ですが、今年は特につらいそうですなあ。選手たちも、この時期は対戦相手と戦い、花粉とも戦わねばならないのだから、苛酷である。

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 今日のピットでは、平本真之が目を保護する眼鏡をかけてました。これで少しでも花粉をガード! もちろんレースでは外すことになるわけだが、陸の上では多少は快適に過ごせるだろうか。よく見ると、けっこうおしゃれな眼鏡ですな。おっと、隣の山田哲也もマスクしてる。ヤマテツスリットで花粉をシャットアウトだ!?

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 そういえば、ドリーム6号艇の馬袋義則もツラそうだった。この平和島に向けて粘膜を焼く(?)処置をしたのだそうだが、「関東のほうは関西の5倍くらい花粉が飛んでるらしい」とのことで、効き目が薄れているようなのだ。連覇に向けて乗り越えるべきは、まずは花粉なのか? 明日から6日間、少しでも花粉の飛散が収まりますように……。

 

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 今日のピットで気になったのは、松井繁が早くも本体整備をしていたこと。前検の作業で圧倒的に多いのは、ギアケース調整かプロペラ調整。本体に手をつける選手はまれと言っていいのだが、まさか王者が! これまでのSGではハッキリ言って、ほとんど記憶にない光景だ。部品交換があるかどうかは直前情報をチェックしてもらうとして、その姿自体が異常事態に見えたのはたしかである。

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 峰竜太が「出てない……」と苦笑いしていたことも付け加えておこう。タイム測定を終えてピットに上がってきた際に、こちらに向かって訴えかけるように呟いたのだ。ただ、峰の顔には苦笑が浮かんでいた。「もう、嫌になっちゃいますよ~」といった軽い感じ。かつての峰は、機力の手応えがいまひとつだと暗い表情になることも少なくなかっただけに、苦笑とはいえ笑顔がこぼれたのは、たくましさが身についたことの証明とも思えたのだった。自慢の整備力でパワーアップだ!(TEXT&PHOTO/黒須田)