BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――九州!

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 今節はどうしてもこの人たちに目が向いてしまう。九州若鷹イケメンズ。一緒に行動することも多いし、雰囲気もいいし、ピットにいるかなりの時間、彼らが視界に飛び込んでくる。

 ペラ調整所で輪になって調整中の岡崎恭裕、峰竜太、篠崎元志。さらに新田雄史も加わって、カルテットを形成していた。全員が準優組である。

 よく見ると、岡崎はほとんどハンマーを手にとらず、さまざまなゲージを当てて、ラインをチェックしているようだった。やはり、大きな調整をする必要がないのだろう。4人のなかでもっとも余裕が感じられる。

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 篠崎、峰は時にハンマーを振りおろし、ペラの翼を鋭い目つきで見つめる。篠崎は真っ先にその輪を離れて、整備室へ。いったん作業の手を休めたようだった。

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 一方、新田は相当に激しくペラを叩いていた。ガン、ガンという大きな音を立てるほどに、力強く振り下ろしていたのだ。ペラを叩く前には、新田は本体の整備もしていたようだ。一発逆転をかけて、新田はやれることをすべてやり尽くして、準優に臨む。

 

 

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 今節、イケメン軍団は調整所の同じ場所でペラを叩いているが、そこに瓜生正義の姿を見かけることは少なかった。これまで、九州軍団は瓜生を中心にして輪を作り、ペラを叩いていたものだった。しかし、今節は必ずしもそうではなかった。今日も瓜生は、整備室入口脇の調整所で後輩たちから離れてペラを叩いていた。関係性に変化があったわけではないだろうが、表面上の変化はこうしたかたちでうかがえる。瓜生と話しているのをよく見かけたのは、寺田千恵とか山川美由紀だったし。瓜生さん、モテモテ(笑)。

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 やがて瓜生はプロペラゲージ擦りを始めている。整備室内に専用のテーブルがあるが、そこには吉田弘文の姿があった。吉田の姿は節間、ここで何度か見かけていて、実は吉田は今節はペラをほとんど叩いていないのである。前節で瓜生が使用したモーターを引き当てた吉田は、瓜生が仕上げたペラを信頼して、そのままレースに臨んでいるのだ。そして、その形状をゲージにもとっている。吉田にとって今後に向けても大きな武器だし、今節の活躍は自分の形にこだわらずに腹を据えて戦ってきたことも大きいだろう。

 というわけで、準優は九州勢、あるいはヤングパワーの動向が大きなカギを握る。一昨年のMB記念では優勝戦オール九州なんて珍事があったけれども、それに近いことが明日、起こったとしても不思議ではないように思う。

 

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 もう一人、桐生順平を気にしないわけにはいかないだろう。予選トップだからといって、新兵仕事が免除されるわけではないから、桐生は朝から雑用などに飛び回っている。同時に、手が空くとペラ室に飛び込んで、調整を始める。なかなか忙しい準優の朝だ。

 僕の主観だが、やや緊張気味、だと思う。表情がカタいとは言わないが、昨日までとは違う雰囲気が伝わってくるのだ。だが、あと2回逃げればSG制覇という状況で、緊張しないほうがおかしい。それが桐生の能力発揮を阻害するものだとまでは、正直思えなかった。大仕事の期待感は、ますます高まるばかりだ。

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 あ、あと、気になったのは森高一真。いつだってレース前には闘志あふれる顔つきになっている男だが、今日はこれまでのSG準優に比べて、スッキリした表情に見えた。気合が入っているのは間違いないが、今までより肩の力が抜けて見えるというか。それが結果にどう反映するかはわからないけど、レースでも注目してみよう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)