BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――慌ただしく!

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「許してやったらどうや!」

 by新田芳美

 選手はみな猛暑の中で健闘中。あなたの予想が外れても、許してやったらどうやぁぁぁっ! というわけで、僕も許すことにします。ですので、僕の予想が外れても許してくださいね。極選が外れたら容赦なくブーイングしていいけど。

 女子選手がピットで着用する乗艇着やTシャツは実にカラフルで華やか、そしてコミカル。他にも発見しましたら、ここでちょっとずつ紹介していきますね。明日からピット記事担当になる内池記者、よろしく頼みまっせ(アタシは準優から復帰しまーす)。

 

 初日からナデシコたちはそれぞれに慌ただしく動いており、試運転する者、ペラ叩く者、本体を割る者と、大きな動きをさっそく見せている。このあたりは、SGのピットとそうそう違うものではない。

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 整備室の入口脇にあるペラ調整場では、岡山軍団が輪になってペラを叩いていた。田口節子や守屋美穂、樋口由加里らが主な構成員なわけだが、その中心にいるのは福島陽子である。前にも書いたかもしれないが、岡山勢の精神的支柱とも言えるのが福島で、その柔らかなまなざしは後輩たちに対する慈愛にあふれている。寺田千恵も福島とともにいることが多く、この二人が女子王国を支えているわけだ。その柔らかな視線は我々報道陣にも迎えられるもので、挨拶を交わすときに見せる微笑は実に温かい。そういえば、多摩川女子王座時には、チルト3度を試そうとする細川裕子につきっきりになっていたっけ。誰にでも優しい人なのである。

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 本体整備は、香川素子、日高逸子のドリーム外枠組。香川はドリーム戦選手インタビューでも、本体整備を匂わしていたが、ピットに戻ってさっそく始めたようだった。1R後には櫻本あゆみも本体を割り、また11R1回乗りの渋田治代が2R後にボートを整備室に運び入れて、整備に取りかかっている。香川、日高、渋田はたっぷりと時間があることを活かしての作業であり、櫻本は1Rを走った感触をもとにした素早い動きだ。1R1回乗りなので、時間もたっぷりと残されている。

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 その様子を見ていたら、整備室入口脇のペラ場で、大きな金属音が響いた。浜田亜理沙がかなり力を込めてペラを叩いたのだ。浜田はその一発だけでなく、それからもかなり強く木槌を振り下ろして、完全に叩き変えている雰囲気。なにしろ、前節使用者が艇界を代表するイン屋・鈴木幸夫ですからね。浜田のふだん乗っているペラとはまるで形状が違うのであろう。

 そうでなくとも、体重が軽い女子選手は、男子選手が乗って噴いていたモーター(プロペラ)でも出ないこともある。というわけで、初日の整備室からはトンカントンカンという音が絶えないのであり、次々と選手がこの場を訪れては、木槌をふるうのである。

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 となると、かなり余裕の動きに見えた平山智加は、評判通りのパワーなのであろう。大きな作業をしている様子はなく、序盤の時間帯はエンジン吊りで姿を見たのみ。ドリーム戦、やはり盤石なのか!?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)