BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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桐生・新鋭王座TOPICS 4日目

'THE勝負駆け①予選トップ争い

福岡ワンツー独占!'

 

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 今節の予選トップ争いは、9R⑥篠崎仁志、10R①秋元哲③中田竜太⑥桐生順平、11R⑥前田将太の5人にほぼ絞られた。この中で、ただひとり自力トップ当選の権利を持っているのは、最後に走る前田。9R、10Rで他の4人がどんなに奮闘しても、前田が勝てばそれで決まる。ただ、その11Rの枠番が⑥というあたりが、混戦ムードを漂わせてもいた。

 

9R 仁志の勝負

 緑カポックの仁志(暫定3位)が鮮やかに当面の勝負駆けを成功させた。4コースまで潜り込み、スリットで後手を踏みながらも激差し一発。バック4艇大混戦の最内からスルスルと伸びて、2マークを制圧した。完勝。順位も暫定3位から、秋元を抜いて2位に。この10点増しの価値はバカ高い。10Rの桐生・中田からトップの可能性を奪い、自身の3位以内=準優1号艇を確定させたのだ。あとは10Rの秋元、11Rの前田の成績によって、準優のレース数が決まることになる。

 

10R 秋元の勝負

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 次は秋元の勝負駆けだ。インから逃げきれば、再び仁志を差し返して予選2位以内が確定する。そして、仁志の1位の可能性が消滅する。秋元はコンマ14でスリットを通過した。F2持ちのスリットとしては、上々のスタートだ。隊形もほぼ横一線。同県のライバル桐生は、アウトコースでやや凹んでいる。秋元はしっかりとマイシロを取って1マークに向かった。

 

 

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 が、ここで想定外の展開が生まれる。2・3・4コースがほぼ同時に握ったのだ。3艇が玉突きの状態で外にブッ飛んで行く。もちろん、秋元のインモンキーは彼らに影すら踏ませなかった。だがしかし、この荒れた展開は、スリットで眠りかけていた獅子を揺り起こした。桐生順平。あっという間すらなく、凄まじいアウトまくり差しが突き抜けていた。出し抜かれた秋元は2マークで渾身の全速ぶん回しを見せたが、桐生には届かない。1着・桐生、2着・秋元。この着順でふたりの予選順位は入れ替わり、桐生の準優1号艇が確定した。

 

11R 将太の勝負

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 トップ勝負駆けのメインエベント、暫定1位の前田が水面に降り立った。将太の成績次第で、準優の1号艇のメンバーが変わる。状況をまとめておこう。

'★将太1着…①前田②仁志③桐生

★将太2着…①仁志②前田③桐生

★将太3着以下…①仁志②桐生③秋元'

 艇番は6。もっとも不利な枠だが、すでに仁志も桐生もこの枠番で勝っている。目の覚めるようなまくり差しで。だが、アウトコースからコンマ17で発進した将太に、まくり差しの展開はなかった。ならば、と迷わず全速でブイに向かい。素晴らしいアウト差しではあったが、何の不利もなく先マイを打ったインの片岡雅裕には届かない。2着で予選勝率8・50。仁志も桐生も8・50。1着の数の差で、それぞれの準優レースが決まった。そして、このわずかな差が、優勝戦の枠番にも多大な影響を与えることになるのだろう。もちろん、それがそのまま優勝に直結するとは断言できないが……。

 

'THE勝負駆け②18位ボーダー

埼玉、数で圧倒!'

 

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 埼玉VS福岡の2大支部対決は続く。予選トップ争いでは福岡が1・2位を独占したが、予選突破の人数では埼玉支部の圧勝だった。福岡3人に対して、埼玉6人!! 今日の勝負駆けが、この大差を生んだ。まずは、黒井達矢。3号艇&4号艇の2回走を差すわまくり差すわで豪快なピンピン連勝。2日目の転覆失格のビハインドを跳ね返し、一気に13位まで躍進した。初戦に17秒98という怪物じみた半周ラップを叩き出し、転覆によってややダウンしたかと思いきや、今日は初日と遜色ない足色に戻っていた。勢い、パワーともに不気味にして舟券の妙味たっぷりの5号艇といえるだろう。

 

 

 

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 黄金井力良も凄かった。今日は2コースからまくりきったのだが、レース自体は凄いとは言えない。スリットで凹んだイン江崎一雄を、軽々とまたいで先マイしただけ。限りなくイン逃げに近い「ジカまくり」だった。凄かったのは、半周ラップだ。18秒25。速いタイムが出やすいインコースを除いて、今日の断然のトップ時計。初日からタダならぬパワー気配を発散している力良だが、今日のこの時計は恐れ入った。もちろん完全に仕上がった証明でもあるだろう。準優のメンバーに入れば知名度も低く、人気の盲点になる可能性は高い。すべて1号艇の一本被りが見えている明日、1000倍級の大穴を夢見るなら力良を切り捨ててはならない。ちなみに、今日の2~6号艇の半周ラップで力良に続く2位は……黒井の18秒32だったとお伝えしておこう。

 

 

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 さらに、埼玉支部ではダークホース的存在である島田賢人も、2着・1着という文句なしの成績で一気に準優圏内に突入した(半周ラップが正味のパワーよりかなり遅いので要注意!)。あれよあれよと、全8人中の6人が予選突破。下馬評通りの層の厚さを見せつけたわけだ。V戦線は「順位の福岡か、数の埼玉か??」というムードになってきたが、私の見積もりではまったくの互角だと思う。明日の準優でそれぞれの支部が何人に絞られるか、これもまた今節の楽しみのひとつだな。(photos/シギー中尾、text/畠山)