BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――気遣い!

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「行けるの~?」

 展示から戻ってきた淺田千亜希が優しく声をかける。宇野弥生も同じように声をかけて、「ありがと~」と微笑んでいた。

 竹井奈美と樋口由加里が、12R出走組の工具袋を整備室に運ぼうとしていたのだ。

 

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 芦屋のピットは全国のなかでも広いほうで、2マーク奥の水面幅いっぱいに装着場が広がっている。出走用の係留所はスタンド側で、整備室は対岸側。すなわち、100mはゆうに離れている。展示から戻った選手たちは通常、工具袋を整備室のほうに置きにいくのだが、芦屋の場合は相当な距離、歩かなければならないわけだ。ということで、整備室ではなく、係留所近くの柱の陰などに置く選手も多いわけだが、12Rの場合、レース後すぐに格納作業が行なわれ、出走選手は着替えなどの時間も必要なので、なかなか慌ただしい時間を過ごすことになる。工具袋を整備室にセットしておいて、作業の時間を少しでも短縮できれば……そんなふうに気を利かせて、竹井と樋口は二人で6人分の工具袋を運ぼうとしたのである。それを展示から戻って見かけた淺田と宇野は、気遣いと感謝を示したという次第。水面では敵同士となる選手たちも、陸の上ではさまざまな気配りを交わし合うわけである。

 

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 それにしても、竹井も樋口も、自分の作業以外にもよく働いている。竹井は今節もっとも登番が若い選手なので当然としても、樋口はそんなことに関係なく、てきぱきと動く。まあ、下から5番目の登番だから、まだ新兵のうちではあるんでしょうけどね。言うまでもなく、小野生奈や浜田亜理沙、喜井つかさらも同様ではあります。

 そんな新兵作業をしていた竹井が声をかけてきた。誰か本体割ったりしてるんかいな~と整備室を覗き込んでいたときだ。「誰か呼んできましょうか?」。いやいやいや~、覗いてるだけです~、と遠慮させていただいたわけだが、その気遣いが嬉しいじゃありませんか。何だったら竹井自身に話を聞こうかとも思ったが、なにしろ忙しく動いているので、やっぱり遠慮した次第。怪しいオッサンのことも気にかけてくれるなんて、ほんと嬉しいっすね~。頑張れ、竹井奈美!

 

 

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 さて、その12Rドリーム戦。勝ったのは宇野弥生だ。1マークでは遠藤エミに内を突かれたかと思える隊形だったが、バックで伸びて、遠藤をねじ伏せる形で2マーク先マイ。力強い勝ち方だった。

 レース後の宇野は、ヘルメットの奥で凛とした目つきをしていた。対岸にはリプレイが流れ、それを見つめる視線も鋭い。BOATBoy内池記者は偏執的弥生さん信者として有名だが、その内池でなくとも、ゾクッとするような美しい目つきであった。

 ピットで見かける宇野は今節、ひときわ気合を感じる一人である。賞金ランク13位に終わってしまった屈辱なのか、つまりはシリーズ組最上位であるというプライドなのか、いずれにしても表情は怖いほどに鋭い。勝負師を思わせる雰囲気を漂わせているのだ。素敵だと思います!

 明日からはいよいよ決定戦組がピットに登場する。例によって、注目は一気に12人に向けられるだろう。僕も自然とそうしてしまうと思う。だが、宇野弥生のこの気合からは目が離せないのも間違いない。昨年走った舞台を走れない宇野が、明日からどんな表情、どんな戦いを見せてくれるのかはおおいに楽しみ! 内池でなくとも、見逃せないぞ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

 

 

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11Rを逃げ切った中里優子がピットに戻ってくると、岩崎芳美は何度も何度も腕のあたりをパチンパチンと叩いていました。「やったじゃ~ん」って感じ? 岩崎、なんともニコニコしていて、素敵でしたぞ。

 

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整備室を覗きにいったら、ちょうど出てくる中谷朋子とバッタリ。そしたら中谷、笑顔で道を譲ってくれたのでした。すみませんでした! 感激っす!

 

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で、同じようなシチュエーションが滝川真由子とも。今度はこちらが先に気づいたので、すっと体を引くと、同じ方向に滝川も体を引き、反対にこちらが体を引くと、滝川も反対に、というよくあるパターンに(笑)。それにしても滝川の笑顔はオヤジ殺しっすよね……。