BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――12人がやって来た!

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 モーター公開抽選を終えた決定戦組は、さっそくピットでモーターを受領。1R展示中にはすでに点検を始めていた。前検作業は早くもスタートしているのだ。昨年もこれを体験したのは5名。残り7名は初めて、“重役出勤”とシリーズ組とは別行動の前検を体験する。少しは優越感もあるだろうか……。

 もちろん、ピットに入ったからには決定戦組も一選手である。1R後のエンジン吊りには当然、点検の手を休めて全員が駆けつけている。選手の輪に混じってしまえば、決定戦組もシリーズ組もない。さまざまな仕事が免除されるということは、ありえないのである。

 

 

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 モーター装着一番乗りは、三浦永理だった。昨年の女王が、誰よりも早く点検を終えて、モーターをボートに乗せた。

 その瞬間、取り囲んだカメラマンのフラッシュが一斉に焚かれる。装着場の奥に固められた決定戦組ボートの周辺には報道陣が大集合しており、整備室から出てくる選手に次々とレンズを向けているのだ。

 これが決定戦の現実。残酷だなあと複雑な思いもするのだが、12人の特権であり、42名にとっては「来年はあちらに回りたい」と思うべき光景であろう。三浦の次には平山智加が装着し、こちらにもレンズが一斉に向けられる。嬉しいことではあろうが、ちょっと作業がやりにくいかもしれませんね(笑)。

 

 

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 報道陣を沸かせていたのは、谷川里江だ。注目28号機を引き当て、まずは注目を集めた。というわけで、カメラマンたちはモーターの番号プレートをフレームに入れて撮影したいわけだが、それに笑顔で応える谷川に爆笑が起こっていたのだ。さらには高橋淳美も並んで、記念撮影が始まった。60期コンビのベテランが、ピットの風景を華やがせていた。

 その後も次々と整備室から決定戦組が登場。その都度フラッシュの雨が降る。どの選手も決定戦の特別性をさらに感じたことだろう。

4R発売中には三浦永理や日高逸子が水面を駆けていた。今年も決定戦のゴングは鳴ったぞ。

 

 

 ピットの空気はそういう形で変わっていくわけだが、シリーズ組には関係ない! こっちの戦いも熱いのだとばかり、選手たちは奮闘している。

 もちろん整備や調整の手は緩めていないし、試運転にも寒風切り裂きバリバリ出ていく。その姿を見ながら、やっぱりこちらも注目しなければ、と改めて感じさせられる。などと言いつつ、ピット原稿もどんどん決定戦が分厚くなっていくと思いますが、しかし僕はシリーズも熱く見守っていきたいと思う。

 

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装着場奥にある屋外のペラ調整所は、まさに決定戦組のボートが固められた場所のすぐ脇にある。モーター装着の喧騒の中、山下友貴は集中した表情で懸命にペラを叩いていた。

 山下といえば、ギリギリまで粘ってペラを調整する姿を女子王座などで見ているが、それは今節も変わらない。こうした努力の積み重ねがいつか、山下をベスト12に導くだろう。

 

 

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岩崎芳美も静かにペラ調整。いったん切り上げて、係留所につけていたボートに向かう。モーターにペラを装着すると、ふと顔をあげて前方を見つめた。今日は強めの追い風が吹いており、岩崎も吹き流しや空中線を確認していたようだ。ひたすら自分の戦いに集中する。それが彼女たちのプライドでもあろう。

 

 

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今年は最後までシリーズで頑張りたいと昨日の開会式で宣言した永井聖美は、もちろん今日も頑張っている。係留所でモーターを始動し、回転を確認している表情は真剣そのものだ。去年はとにかく気の毒な繰り上がりであった。その鬱憤を晴らすのは、本来ならば12位に入ることだったわけだが、シリーズ回りになったなら優勝するしかない! 渾身の優勝争いを全力で戦ってほしい。

 

 

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カメラマンの輪をぶち破って歩く佐々木裕美と片岡恵里。どんな心境だろうな~。ふたりとも頑張れ!

 

 

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魚谷香織にとっては地元での一戦。こちらも当然、引き続き気合が入る!

 というわけで、ファンの皆様もシリーズ戦も要注目! なんたって、1日10レースはこちらですからね。舟券もバリバリ勝負しましょう!(TEXT/黒須田)