BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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賞金女王シリーズTOPICS 2日目

差し抜け万太郎祭

 

 

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 今日は5Rから出し抜けに万太郎祭がはじまった。その立役者は……5Rが3コース鵜飼菜穂子の差し抜けで484倍、6Rが4カド福島陽子のブイ差し~抜きで138倍、7Rが3コース柳澤千春の差し抜けで449倍!! 足の良さそうな福島はともかく、特大万シューを演出した鵜飼&柳澤は、とてもアタマで買える気配ではなかった。

 

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 勝因は、暴風にも近いホーム追い風と、それに伴う荒れ水面。これに尽きる。ターンマークで握ることが当たり前になっている「やまと世代」の女の子たちは、風に煽られて流れ、荒れ水面に足を取られてバランスを崩していた。一方、鵜飼姐さんや千春姐さんたちは、いつものようにターンの手前で減速し、ブイ際をくるりんくるりんと回り続けた。今日の芦屋水面は、この“低速経済コースターン”が実に効果的だったのだ。

 

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 嗚呼、それにしても「風」の恐ろしさよ。小回りした姐御だけでなく、若手で勝った宇野弥生も滝川真由子も平田さやかも山下友貴も、すべてブイ際を狙った最内差しだった。11Rまでの決まり手は、逃げ①、差し⑥、抜き③、恵まれ①……「攻めたもん勝ち」のイメージが強い女子戦を、目に見えぬ空気の流れが一変させてしまうのである(もちろん、向かい風なら逆に全速攻めの戦力がアップする)。と、ここまで書いたところで、12Rの廣中智紗衣が一撃の5コースまくり、超800倍って……(笑)

 とにかく! ボートレースは生き物だ。出走表とニラメッコして選手の力量や機力をあれこれ考えるだけでなく、スタンドに立って風様のご託宣にじっと耳を傾けよう。風が強ければ強いほど、そのご託宣が舟券の的中に深く関与することを忘れずに。

 

亜理沙と千亜希、散る。

 

 

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 まさかの11R……昨日の当コーナーで大絶賛した浜田亜理沙が、フライングに散った。無傷の2連勝だっただけに、激痛の勇み足だ。女子でトップ級のスタート勘を誇る亜理沙でも、今日の「風×起こし」を補正しきるのは難しかったか。まあ、やってしまったものは仕方ないし、私はフライングした選手を批難する派の人間ではない。これにメゲずに頑張れ、と月並みのセリフだけを贈るとしよう。それにしても、昨日キワのコンマ01まで突撃したばかりなのに、今日もまたこの「禁断の一線」に近づき踏み込えるとは……やはり不思議ちゃん&超大物の匂いが、ぷんぷん漂うなぁ。

 

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 そして、やはり11Rでコンマ01だけハミ出したのが淺田千亜希だ。こちらは「うーーーん、また……」という思いが強い。記念だろうが一般戦だろうが常に全力投球、気持ちで走る千亜希だけにFの頻度も高い。これに関しては、何も言いませんよ。「ファンや関係者への迷惑」「痛恨の罰則」などなど、フライングは因果応報の苦痛となって選手自身に帰ってくる。それをどう受け止め、今後にどう生かすかは、それぞれの選手がそれぞれに考え行動すればいい。私はFを切らない加藤峻二も、『フライングキング』上島久男さんも、心の底から尊敬し続けている。どんな信念を持って水面に立つか、が重要なのだ、と思う。(photos/シギー中尾、text/畠山)