BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

シリーズ準優ダイジェスト

悠然

 

8R

①大瀧明日香(愛知)17

②久保田美紀(群馬)13

③原田佑実(大阪) 14

④福島陽子(岡山) 19

⑤倉田郁美(愛知) 15

⑥栢場優子(栃木) 06

 

 

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 節イチの伸びを争う倉田&栢場がいて、波乱の余地が十分あったこのレース。その予感どおり、スリットから栢場が半艇身以上も飛び出した。

 すわ、ひとまくりか??

 

 

 

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 目が大外に釘付けになったが、栢場が伸びて行かない。おそらく極端にアジャストしたのだろう。ならば、と5コースの倉田が先に仕掛けた。それなりに力強いまくりではあったが、スリットから栢場をブロックしようと直進した分だけ、インの大瀧には届かなかった。悠然の逃げ。ぶん回した倉田がしっかりと2着を取りきり、早々に1-5態勢が固まった。

1着・大瀧、2着・倉田。

 

 

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大瀧の足はバランス型で、全部の足がちょっとずついい。これといった取り柄がない代わりに、どんな展開にも機敏に対応できる。評価としては、上位の下あたりか。

 倉田は誰もが知っているように伸び特化型。明日も外枠だし出足回り足は諦め、さらに伸びを付けて一発勝負、なんてことになったら面白いのだが。そうでなくても、明日はレースを左右するかもしれない要注意人物だ。

 

パワー対決

 

9R

①山下友貴(静岡)13

②水口由紀(京都)25

③魚谷香織(福岡)12

④岩崎芳美(徳島)11

⑤松本晶恵(群馬)21

⑥竹井奈美(福岡)12

 

 

 

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 スリットでドカと言っていいほど遅れた水口が、ズッポリ差しきった。あっという間に、逃げる山下に舳先を突き刺していた。凄い回り足だ。だが、バック中間を過ぎると、今度は水口の弱点が露呈する。舳先は入れたが、並び、交わせない。1周2マーク、やや艇を開いた山下は、1艇身近いアドバンテージを生かして豪快にまくりきった。それぞれの足の持ち味を、随所に堪能できた半周ではあった。

 1着・山下、2着・水口。

 

 

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 山下の足は、トータル節イチ。大瀧は「ちょっとずついい」だが、山下の38号機は「全部が上位級」のバランス型だと思う。ただ、大瀧と同じで突出して凄い部分はないため、スリット同体なら展開を突くことになりそう。2コースの場合は、やはり差しか。本当はスリットで覗いてから選択肢の多いセンターあたりが向いているパワーだと思う。

 

 

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 水口はもう、完全な出足、回り足特化型。この足こそ2コースが最適で、外のコースではスリットで叩かれて後手を踏む可能性が高くなる。それでも、くるくる回って2、3着なんてことが十分にありそうだが。明日、6号艇なら山下と折り合っての2コース奪取もありえたが、4号艇ではやはりカドからか。

 

 

 

 

 

泰然

 

10R

①田口節子(岡山) 13

②堀之内紀代子(岡山)19

③永井聖美(愛知) 17

④小野生奈(福岡) 16

⑤中谷朋子(兵庫) 22

⑥片岡恵理(山口) 27

 

 

 

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 例によって、生奈が攻めた。スリット同体から、伸びなりの絞りまくり。喰らった選手はたまらんが、惚れ惚れするような全速アタックだ。永井を潰し、堀之内を叩き、さらにインの田口まで! という勢いだったが、もうそこに田口はいなかった。完璧なスタートと完璧なインモンキーを決めて、生奈の射程圏から脱出していた。早くて、速い。モノが違う。生奈のまくりが届く、という私の予想は、希望的観測でしかなかった。

 

 

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 それにしても、自力で攻めて2着に残した生奈は立派の一語。経験の浅い生奈に、後続のベテランたちがあの手この手の嫌味な攻撃を仕掛けてきたが、それをことごとく握りマイで凌ぎきった。少しでも怯んだら、一瞬の逆転もありえただろう。

 1着・田口、2着・小野。

 田口の足は……わかりません!! あの早くて速いインモンキーをどれだけ機力がサポートしているのか、その配分比率の塩梅が読めない。スリットからズリ下がらないし、もちろん悪くはないのだろうが……ただ言えることは、明日の優勝戦がスリット横一線になったら、今日の足で99%逃げきれる。うん、「節子のインモンキーを邪魔する足ではない」なんて言葉でお茶を濁そう。

 

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 生奈の足は、倉田や栢場ほどではないが行き足~伸びを中心に上位級の仕上がり。その伸びは日々ちょっとずつアップしている気配もあり、5号艇の明日もこの足に磨きをかけるべきだろう。それを怠ると、自分が動く前に倉田の引き波を浴びる可能性も十分にありえる。(photos/シギー中尾、text/畠山)