BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――今年も寒いぞ、賞金王のピット

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 毎年毎年、賞金王のときには書いておりますが、うーーーーー、寒いっ!

 今朝はぐずついた天候で、氷雨が落ちる住之江。風もピットに吹き込んできて、これがもう、なんとも冷たい。寒暖計は6℃を示しているが、体感温度はそんなもんじゃない。賞金王といえば、なんといってもこの寒さだ。

 写真は埼玉「ヨロシク!」コンビだが、平石和男の様子をごらんいただければ、おわかりになると思う。桐生順平は若いからへっちゃらな顔つきだが、平石とは同世代の僕もピットではこんな感じで身をすくめている。

 

 

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 もう一丁、長田頼宗。ね、寒そうでしょ?

 

 

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 この寒さの中、西山貴浩が転覆してしまった。オープニングの1Rで、いきなりやってしまったのだ。水中の西山を思い出すだけで、寒々してくる。水はさぞ冷たかっただろう。

 だが、西山にしてみれば、寒さなど気にならなかったかもしれない。初っ端の転覆だ、ひたすら悔しかっただろう。ケガでチャレンジカップを欠場してしまった西山は、今節はまさに鬱憤を晴らすための一節だった。それがいきなり転覆とは……。レース後にすぐ転覆整備に取り掛かっており、身体は大丈夫そうだ。だが、気持ちは痛い。心が痛い。癒すには、明日からの巻き返ししかない。

 

 

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 その1Rで3着だった鎌田義が、レース後急いで本体を外して、整備室へと持ち込んでいた。スタートでやや後手を踏んだ隊形から3着に粘り、上々の初戦と見えたが、鎌田は納得していないわけだ。

 顔色は明るい。少なくとも深刻な雰囲気はない。こちらに気づくと、ニヤリと笑って目配せしてくるのは、ゴキゲンなカマギーの仕草だ。だが、胸中にあるのはそれだけではない。むしろ、このままではまずいという、焦燥感のようなものが大きいかもしれない。後半は1号艇。必勝の一戦。そのためには寒いなどと言っている場合ではなく、パワーアップに駆けずり回るわけである。

 

 

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 そうそう、整備室には森高一真、篠崎仁志の姿があったぞ。初日によく見かける「ドリーム組の本体整備」。時間がたっぷりとあるから、まず本体の気になるところをチェックしたり、いきなり整備に取り掛かるわけだ。ともに表情は真剣そのもの。ドリームまでに少しでも上積みをはかりたいという思いが伝わってくるものだった。

 

 

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 2R、岡村仁は惜しかった。6コースからまくり一閃! 地元SGデビューでいきなりの大技炸裂かと思われた。しかし、1マーク出口でやや流れて、差しを許してしまった。でもナイスファイトだぞ!

 開会式でも言っていたとおり、岡村は住之江区出身のバリバリの地元レーサー。初めて出場した住之江SGに懸ける思いは生半可ではなく、6コース一撃もまさに気合のあらわれとも言える思い切ったものだった。だから、勝ちたかっただろうな~。レース後は爽やかな笑顔を見せていたけれども、次は勝利の笑顔で住之江のピットを明るくしたいところだ。

 

 

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 で、一瞬差し切ったかと思われたのは、山口達也だった。展開を突く技術、判断はお見事の一言。ノッてる男は一味違うと思わせるものだった。だが、平田忠則に差し粘られ、2マークでは烏野賢太らと接触があって、後退してしまっている。結局5等にまで着順は下がってしまった。これはなかなか悔しい一戦だ。

 と言いつつ、ピットで山口は、茅原悠紀らと笑ってレースを振り返っているのだった。たしかにあの展開は、逆に笑うしかない、という局面だったかも。こちらも次は勝利の笑顔を!(PHOTO/中尾茂幸=森高 黒須田 TEXT/黒須田)