BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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シリーズ準優ダイジェスト

チェックメイト

 

'8R

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①前本泰和(広島)20

②徳増秀樹(静岡)21

③西村拓也(大阪)27

④福島勇樹(東京)22

⑤山口達也(岡山)21

⑥丸岡正典(奈良)21'

 

 

 

 

 

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 前本が危なげなく逃げきった。2コース徳増の意表のツケマイも強烈だったが、しっかり受け止めてブッチギリ。パワーを生かしきった横綱相撲だった。2着争いは最アウトの丸岡が進出してもつれかけたが、徳増が冷静に振り払ってチャレンジカップに続く連続優出を決めた。1-2の準優決着、そして住之江決着。勝った前本は、9、10Rの結果を待つことなく、優勝戦の1号艇を決めた。

 1着・前本、2着・徳増。

 

 

 

 

 

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 前本の足は前検から文句なし。モンスター的な迫力はないが、行き足を中心に全部がいいバランス型だ。インコースを十二分に生かせるパワーでもある。前本にとっての課題は、パワーよりもスタート勘か。この準優も含め、今節の平均Sはほぼコンマ20。同じスタートでは、スリットで誰かしらに出し抜かれる可能性は低くない。

 徳増の足は伸び型だと見ていたが、サイドの掛かりも良さそうだ。明日は4号艇からどんなコースを選択し、どんな戦法で仕掛けるか。チャレンジカップ準Vから続くリズムの良さは侮れない。

 

 

 

トップタイム

 

'9R

①桐生順平(埼玉)10

②吉川元浩(兵庫)10

③茅原悠紀(岡山)10

④長田頼宗(東京)12

⑤坪井康晴(静岡)16

⑥吉田俊彦(兵庫)18'

 

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 差した吉川の舳先をギリギリ交わしての逃げ。今節の桐生は1マークでケリを付けられないもどかしさがあるが、今日の決まり手は「抜き」ではなかった。いざ先頭に立ってからの強さは、いまさら語るべくもない。勝ちタイムの1分45秒7は、トライアル組も含めた今日の一番時計だ(前本は1分47秒5)。

 2着は完全に吉川かと思われたが、1周2マークで茅原のスピード差しを喰って逆転。油断があったか。その後も茅原がしっかりと後続を抑えきり、SG初優出のキップを手にした。

 1着・桐生、2着・茅原。

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 桐生の足は……相変わらずわからない。あれだけの時計が出るのだから悪いわけはないのだが、1マークですっきり決めきれない点が気になる。まあ、この若者の場合は、足とは無関係に勝ち負けできるスピードとテクニックがあるのだが。3号艇の明日も、もちろんうるさい存在ではある。

 茅原は全体的なレベルアップに成功したようだが、優勝戦ではやや弱い部類だと思っている。明日は失うものがない6号艇、単騎がましも想定しつつ伸びを強化すれば怖い存在になる。

 

 

 

タッチ!

 

'10R

①山口 剛(広島) 01

②田中信一郎(大阪)01

③江口晃生(東京) 08

④森高一真(香川) 10

⑤白井英治(山口) 12

⑥岡村 仁(大阪) 11'

 

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 さすが、怖いもの知らずのツヨポン! ハミ出したら重い罰則を受けるSG準優で、コンマ01のキワまで踏み込んだ。地元の信一郎も負けじとコンマ01。内枠2艇が完全に抜け出し「どう転んでも1=2か?」と思わせたが、ふたりの明暗がくっきり分かれる。差そうとした信一郎の舳先が、先マイするツヨポンの艇尾に接触してしまったのだ。大きくバランスを崩して、信一郎は置き去りに。1マークを回りきったところで、ツヨポンは早くも一人旅を決め込んでいた。

 焦点の2着争い。信一郎に代わって抜け出したのは、名人・江口。2艇身ほど後ろから白井が必死に追いすがったが、百戦錬磨の激辛ターンでこの追撃を完封した。48歳、強い。

 1着・山口剛、2着・江口。

 

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 ツヨポンの足は前検から注目していた。その時は行き足~伸びがゴキゲンに見えたが、今はバランス型に仕上がっているようだ。同体で前本を差しきれるかと言われたら「?」だが、スリットで優位に立ったら逆転は十分可能だろう。明日もゼロ台まで踏み込めば、勝算は跳ね上がる。ただ、今日のコンマ01の反動が出なければいいのだが。

 

 

 

 

 

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 江口名人の整備力は、さすがの一語。中堅あるかどうか、と見ているうちに上位級に仕上がった。とはいえ、突き抜けるような迫力はなく、優勝するにはコースで勝負するか、展開を待つか、という戦略に絞られるだろう。進入のキーマンであることは間違いない。

(photos/チャーリー池上、text/畠山)