BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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TOPICS 初日

イン帝国、崩壊。

 

 イン逃げ、1勝。インコースが絶対的権力を握る現在の記念戦線で、ありえないようなレースが行われた。1Rから羅列すると、

 

6コースまくり差し5コースまくり差し2コース差し4コース抜き2コース差し5コースまくり差し3コースまくり差し3コースまくり差し4コースまくり差し1コース逃げ4コースまくり差し2コースまくり。

 

 

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 すべてのコースが勝ち、「恵まれ」以外のすべての決まり手が飛び出した。さながら、季節はずれの花火大会だ。その最大の立役者は、やはり待機行動だろう。枠なり進入は4レースのみ。残りの8レースは誰かしらが動き、イン選手にプレッシャーを与え続けた。鈴木幸夫、西田靖の生粋のイン屋ふたりは、むしろ穏やかな前付けに見えた。明日はともに6号艇の1回乗り。今節の予選は3日間ということもあり、今日よりもはるかに過激に動いてくるはずだ。

 

 

 

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 私が大いに注目し、昨日から悩みに悩んだドリーム戦も、もちろん枠なりではなかった。ただ、スタート展示で激しく攻めた西島義則が、本番では穏やかな4コースを選んだのは、やや拍子抜けではあったな。スタート展示がなければ……もっとも痛切に思うパターンだ。

 

 

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明日は、西島に替わって今村暢孝、江口晃生、大嶋一也が6号艇を任される。彼らがどこまで激しく攻めるかによって、レースはどんな色にでも染まる。今晩もまた、うんうん唸りつつ、愉しい進入予想に明け暮れるとしよう。

 

 

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 ちなみに、倉谷和信がただひとり逃げきった10Rこそ、私が満を持して選び出した『穴・極撰』指定レースだった。倉谷を蹴飛ばして2-34の舟券を買ったら、宇宙の真裏の1-6-5で決まった。しかも、人気の倉谷が勝ったのに万太郎だった。「ある意味、レジェンド」と周辺の記者から持ち上げられた?が、どうぞこんな私を嘲笑ってやってください。

 

 

 

 

うば桜、乱れ咲き!

 

 

 

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 い、いや、私自身は「うば桜」だなんて、これっぽちも思ってませんよ。選手紹介で逸子ママが「うば桜となった私」と言ったから、引用させてもらっただけで……個人的には艶やかな熟女、見目麗しい淑女、そんなイメージを抱いています。

 それはともかく、今日の女子軍団は強かった。先陣を切ったのは永遠の浪花っ子アイドル・高橋淳美。『北海のグリズりー』や『走る人間国宝』など歴戦の猛者が揃ったオープニングレースで、いきなり6コースからどっかーーーんの自力まくり差しを決めてしまった。直前に入ったという野田の元湯が身体の芯まで効いたのか、凄まじい割り差しだった。あんな少女のような愛くるしい笑顔で、やるときゃやるんです。

 

 

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 選手紹介で「桜は散っても私は散らない」の名言を残した渡辺千草も、5Rで見事に咲き誇った。展開をしっかり突いての2コース差し。かつて、優出しても優出しても初Vに手が届かず、「優出クイーン」などと呼ばれた時期もあった。だが、それでも雑草のようにしぶとく逞しく優出を繰り返し、デビュー22年8カ月で悲願(掛け値なしの悲願だ)の初優勝を遂げた千草。現在まで100優出2V……枯れることなく水面に根付き続けた雑草魂があればこそ、今日の「散らない桜」の言葉がひしと胸に迫り来る。いっそ散らないだけでなく、何十年に一度のミラクル狂い咲きをしてみてはいかがでしょう、千草様。

 

 

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 そしてそして御大のうば桜、失礼、グレートマザー日高逸子も散るわけがない。6号艇の2Rできっちりがっちり3着6点を奪い取ると、3号艇の8Rでは豪快なまくり差しで10ポイント加算。今節もまた「知らず知らずに枠番よりも上位の着順を奪い、気づけば準優の好枠ゲット」という逸子パターンに持ち込むことだろう。老いることなき、うば桜。満開に咲き誇るのは、5日後の日曜あたりか。

 

 

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 今日、女子レーサーでただひとり勝ちきれなかったのが久保田美紀。初日の6着は痛いが、モーターの素性的には一撃勝利があっても不思議ではない。他の3人の活躍がカンフル剤にもなるはずで、大穴候補として狙ってみたい。

 

 最後に、今節も気になって仕方がない『走る人間国宝』加藤峻二は、1R4号艇で3着と上々の滑り出しだ。このまましっかりポイントを積み重ねて、とりあえず4日目の準優進出戦に駒を進めてほしい。明日の2R2号艇に注目!!(photos/シギー中尾、text/畠山)

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