BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――準優進出戦!

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 準優進出戦! 序盤レースの時間帯では昨日までと雰囲気は違っているように感じたが、5Rが始まると選手たちもざわざわし始めていた。特に、準優進出戦に駒を進めた選手たちは興味津々。レース中、4番手以降を走る選手がモニターに映し出されると、「そうかぁ、ここ走った時点で終わりなのかぁ」という声が聞こえてきたりした。女性の声だったので、渡辺千草か高橋淳美だろうか。

 

 

 

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 その5R、勝ったのは中村裕将! 記念すべき準優進出戦ファーストウイナーだ。島川光男の攻めに乗っての1着。ピットに戻って浮かべた笑顔は、何よりもまず、準優進出を決められた喜びであろう。

 

 

 

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 中村はエンジン吊りを終えると、島川のもとに向かっている。島川の作った展開に乗った結果だからだろうか。その島川は4着。中村とは対照的に、とにかく浮かない表情であった。まくれそうな隊形となりながら、強い追い風が吹くなかでインの長谷川巌が伸び返してきたことで迷いが生じたか、やや中途半端な1マークとなってしまった。あれは悔しい。まくりが武器である島川だけに、なお悔しいだろう。3着以内と4着以下では、くっきりと明暗が分かれる。そんなシーンにいきなり直面したような気がした。

 2着の長谷川巌は、ピットに上がるなり「あっぶねぇ~~」。せっかくの1号艇だけに、ここで4着以下ではシャレにならん。島川のまくりを浴びていたら大敗の可能性もあっただけに、「あっぶねぇ~~」は本音中の本音だろう。ともに準優進出を決めた師匠の新良一規と並んで歩きながらも、苦笑が消えない長谷川。もちろんそこには安堵も感じられた。

 

 

 

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 6Rは西田靖が6号艇。となれば当然、前付け! スタート展示ではインを奪い、本番では倉谷和信が激しく抵抗して2コースとなっている。西田は1マークのターンを失敗してしまっており、結果が出なかったこともあわせて、レース後は苦笑い。ときどき眉間にしわを寄せて悔しさをあらわしつつ、しかし表情は決して暗くなかった。

 

 

 

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 一方、倉谷もレース後はやっぱり苦笑い。もっとも進入が厳しくなるであろうレースの1号艇となり、この進入は半ば覚悟していたか。そして、それでも3着に残せたことは、彼の意地だったか。納得しているはずはもちろんないが、こちらも決して暗い表情とはなっていなかった。

 

 

 

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 勝ったのは西島義則! 深い起こしの内2艇を、スリット後に一気に抜き去り、さらに5カドから伸びた長岡茂一の攻撃を封じて、先まくり一撃で先頭をもぎ取っている。

 西島は予選最終走で落水。その影響が気になるところだった。だが、そんなの関係ねぇ! 引き波のない場所を握って攻めた結果だとはいえ、不安を吹っ切る一撃だったと思う。レース後は、歓喜よりもむしろ安堵が強いように思えた西島。大復活ストーリーは続行! 準優でも豪快な攻めに期待しよう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)