BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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TOPICS 初日

初日6Rで準優進出戦当確!?

 

 準エース44号機の宇野弥生がとびっきりのロケットスタートだ。前検の私の評価は中の上レベル。「悪くはないが……」とちょっと物足りなさを感じたものだが、実戦に行って2連率50%の底力を見せつけた。1Rは3コースから、6Rは5コースから、有無を言わせぬまくり差し。どちらもさほど早いスタートではなかったが、ナタでかち割るような迫力で艇団を切り裂いた。相応のパワーがなければできない芸当た。前半戦だけで、電光石火のピンピン連勝である。

 

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 しかも、だ。今節はこの初日ピンピンの価値が、むちゃくちゃデカい。4日目に行われる準優進出戦へ、ほぼ当確ランプ(もちろん無事故完走条件)が点ったのである。今回の準優進出戦は、3日目までの1位~24位までの24枠。ボーダーは5・00あたりか。弥生は残り2走(誰かひとりでも帰郷したりすると3走になるが)で⑥⑥だとしても、予選勝率5・50。かなりの安全圏だし、今節の弥生が⑥⑥で終わるわけもない。逆に明日も勝って3連勝なんてことになると、進出戦どころか準優当確までありえるのだ。

 

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 ちょっとややこしい話になるが、今回の準優進出戦(4個レース)は1~3着までの3選手×4R=12選手が文句なしの準優確定。で、残りの6議席は「4日間の勝率の高い順(進出戦含む)」で決まる。つまり、3日目までに予選トップ級の勝率を稼いでおくと、進出戦で惨敗しても準優に出られる可能性が高いのだ。すでに20点を荒稼ぎした弥生の場合、おそらく明日も①着なら進出戦を飛び越えて「準優当確」ラインに到達するだろう。とにもかくにも、初日の貯金が大きくモノを言うのである。

 

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 同じく初日ピンピン連勝だったのが、平山智加だ。3Rは4カドから一撃のまくり差し、10Rはキッチリ逃げきって格の違いを見せつけた。ただ、現時点での弥生との違いは、残り3戦を残しているという部分だな。智加にはまだ進出戦の当確ランプは点らない。もっとも、弥生も智加もターゲットは「準優入り」などというケチなものではなく、予選トップから怒涛の3連勝Vなのだろうが。

 

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 他では、初日を1・2着で乗り切った中谷朋子、平高奈菜も、残り2戦という意味では大きなアドバンテージを得たことになる。明日は11・12Rにこれらの好成績者がびっしり組み込まれていて、この星の潰し合いがV戦線にかなり影響すると思う。

 

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 ちなみに、初日を終えてのトップはドリーム戦を制した海野ゆかりだが、ドリーム組はすべて残り4戦。予選トップ争いは、宇野、中谷、平高ら残り2戦組、残り3戦の平山、残り4戦のドリーム組……どれが有利なのだろうか。あれこれ勝手な妄想を膨らませつつ、明日の11・12Rを楽しみに待つとしよう。

 

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 そうそう、ドリーム1号艇だった田口節子は5着に敗れた上に、待機行動違反を喰ってマイナス1・00……なんとなんと、最下位の52位!!で初日を終えた。最悪のスタートではあったが、田口にとって「残り4走」はもちろん頼もしい味方に違いない。3日目までに何人ゴボー抜きするか、も今節の見所のひとつではあるな。

 

A1級の取捨

 

 毎年のことだが、実力差の大きいシリーズだけに、A1レーサーの強さが際立つ。今日も12レース中A1が8勝で、その他のクラスが4勝。全体のメンバー構成としてはA1が20人、その他が32人だからシンプルに実力の違いが水面に反映されている(今日はドリーム組以外のA1の2回走が多かったという要因もあるが)。

 

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 で、A1級が勝てば配当が安く、その他の面々が勝てば穴になる。これも毎度毎度の決まりごと。今日の2Rでは、A2福島陽子が5コースから鮮やかなマーク差しを決めて3連単385倍、7Rは地元のA2レーサー今井美亜が一撃の3コースまくりで120倍、さらに11RではA2細川裕子が4コースから俊敏に差し抜けて300倍の大穴を提供している。

 

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 昔も今も、女子王座といえば「本命党は銘柄級から分厚く勝負、穴党は銘柄級を蹴飛ばして大万舟狙い」という棲み分けがかなり明確なシリーズであり、どちらも共存共栄できるところが人気の要因でもあるだろう。

 A1レーサーを信頼するか、斬るか。

 この選択の重要さを、改めて痛感した初日だった。

 

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 さて、明日に目を向けてみよう。明日の2日目は、また今日とは違う側面がある。

①ドリーム組が散らばり、しかも2回走りで仁王立ちする(全レース、ひとりずつ参戦)。

②その一方で、他のA1はほとんど1回走となり、A2~B級の2回走が増える。

 これを合体させるなら「強い強いドリーム組で勝負するか、層が厚くなったA2~B級で大穴を狙うか」というのが、舟券攻略の大きな分岐点になるだろう。しかも、準優進出戦の影響で、「明日がメイチの勝負駆け」という選手も少なからずいるのだ。うーーん、悩ましい。悩ましいが、面白い。理想としては「堅きドリーム組でしっかり稼ぎ、怪しきドリーム組を蹴飛ばして大金をゲットする」なのだが、毎年毎年、この取捨が実になんとも難しいんだよなぁ。基本戦略はそれぞれの読者にお任せするとして、明日の私は「勝負駆けの穴っぽい選手」を発見することに労力を注ぎます! 役に立つ情報をお裾分けできれば幸甚なのだが、どうか。(photos/シギー中尾、text/畠山)