BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――明日は早くも勝負駆け

 

 

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 改めて、明日は予選最終日なのである。しかも、短期決戦なのである。悠長に構えてなどいられない。今日の戦いが終われば、もう勝負駆けなのだ。予選4日間の準優制より多くの選手にチャンスは残されてはいるが、昨日と今日の2日間である程度の答えを出し、問題点をできるだけ解消して、明日を迎えなければならない。整備室を覗き込んで、2日目後半の時間帯とは思えないほどに本体整備をしている姿が見られて、ちょっと怪訝にも思ったわけだが、よく考えてみれば当然の光景。2日間で機力に不満がある選手が、本体を割ってパワーアップをはかるのは当り前であろう。

 たとえば、岩崎芳美。ドリーム組として、やはり予選突破は自らに課したノルマである。ところが、ここまでは苦戦。ドリーム6着も含めて、まだ舟券にさえ絡めない、しかも今日は好枠デーだったことを考えれば、もはや待ったなしの状況であろう。明日は2R出走ということもあって、とにかく今日のうちにやれることはやっておきたい。そんな思いが伝わってくる、岩崎の姿なのであった。この人には笑顔が似合う。明日は、それを見せてくれるだろうか。

 

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 ほかでは、武藤綾子、日高逸子、金田幸子といったあたりも確認できた。武藤は明日は2着2本という厳しい勝負駆け。やはりパワーアップは必須である。日高は今日2着で巻き返しができたはずだが、まだ納得していないのだろう。このあたりがグレートマザーの強さである。

 

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 初日も同様だったが、試運転を遅くまでやっている選手も目についた。主に若手選手で、最終的には11R発売中まで走った原田佑実と遠藤エミがラストとなった。原田も遠藤も2R出走だったから、レース後も休むことなく遅くまで乗り続けたわけである。

 11Rの展示が終わって、試運転に出る準備をしていた遠藤に、落合直子が声をかけている。「まだ揚げへんの?」。遠藤は「はい」と返事。落合はそれを聞いて、鎌倉涼と一緒に明日の艇旗艇番準備に向かっている。

 三国は、その日にもう使用されないボートはすべて、装着場奥にある艇庫へと収められる。他の場では、装着場に整然と並べられるのがほとんどで、終盤の時間帯には若手が艇旗艇番準備をしている姿が、いつも視界の片隅にある。これが三国にはない。艇旗艇番を用意した選手はそのまま艇庫へと入っていくので、いちいち覗きに行かねば、その様子を眺めることはできない(覗きに行ったりはしないけど)。逆に言えば、選手たちも装着場とは隔絶された場所で作業をしているということになる。というわけで……。

 

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「もう揚げてるん!? まだ揚げへんって言ってたやん!」

 装着場がやけににぎやかだと気付いたのか、落合が艇庫から飛び出して、原田と遠藤のエンジン吊りに駆け寄った。もちろん原田も遠藤も11R発売中に試運転をしているが、落合が予想するよりも早くボートを引き揚げて、それをたまたま発見した他の支部、地区の選手がエンジン吊りを手伝っていた、というわけなのだ。落合としては、自分がエンジン吊りを率先して手伝うつもりだったのに、ということか。いい人だ!

 原田は、昨年の鳴門王座で初出場を果たしたが、残念なことに1着は獲れなかった。そう、今節勝ったら水神祭! というより、何としても今節中に水神祭を決めたいところだろう。明日勝てば、嬉しいGⅠ初1着のうえに、予選突破もぐっと近づく。優しい落合先輩の想いにこたえるためにも、勝ちたいところだ。今日の努力が報われますように。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

 

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山下友貴も試運転に奮闘!

 

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11R、守屋美穂が先輩・寺田千恵のまくりを受け止めて逃げ切り! 見事な岡山ワンツーでしたね。滝川真由子もニッコリと祝福。

 

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同支部ワンツーとはいえ、やっぱり負けたほうは悔しい! テラッチの表情はさすがに硬かった。そして、明暗分かれたこともあったのか、“岡山会議”は行なわれず……。