BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――珍しい光景!?

 

 

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 SGとの違いを実感するのである。

 はじめにいつものように係留所を覗くと、準優進出戦組のボートがやけに多い。平山智加、大瀧明日香、小野生奈、高橋淳美、三浦永理、日高逸子、田口節子……は違うか。ついメモしてしまったが、まさかの予選落ちなのだった。あと、水口由紀が試運転をしていた。最初のひと眺めでこれだけの進出戦組が水面にいる。SGの準優日の朝、ベスト18のボートはここまで係留所にはない。準優と準優進出戦が違うのはたしかだが、予選を終えたあとの一日としては、やはりSGとレディチャンの差異は感じられるのである。平山はSG常連ですけどね。

 

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 2R発売中には、予選トップ通過の今井美亜も、早くもボートを水面に下ろした。SG準優日の予選トップ選手は、比較的ゆっくりした始動になるのが常なのに、今井は序盤の時間帯に動き出しているのである。と、これを書いた今、今井と中谷朋子が目の前で足合わせをしている。異常事態とはいわないが、SGを見慣れていると珍しい光景に映るわけである。

 

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 整備室を覗いて、さらに驚かされた。平高奈菜と寺田千恵が本体整備をしているのである。進出戦好枠組が!? 10R1号艇の平高、12R2号艇の寺田が、まさか本体を割るとは。SG準優の好枠組が本体整備をしているところを見た記憶はまったくない。外枠の選手が一発勝負で整備をするというのはよく見るが、好枠の選手は機力上位でもあるはずなのだから、本体に手をつけたりするケースはほとんど見ないのである。

 そうこうしているうちに、いったんボートを陸に揚げた小野が、そのまま整備室までボートを運び込んだ。まさか小野も!? 当たり前のように本体を外し、整備テーブルへと運ぶ小野。11R1号艇ですよ! 好枠勢がここまで本体整備に取り組んでいようとは、まったくもって予想外。驚きだった。

 

 ただ、動き出しの早さも本体整備も、ちょっとだけうなずけるのは、天候が今日もまた変わっていることである。今日の三国は昨日までに比べると、かなり涼しいのだ。台風の影響なのかどうかはわからんが、空は厚い雲に覆われており、僕がレース場に到着したときには雨がポツリと落ちていて、地面は濡れそぼっていた。駐車場などには大きな水たまりもあって、それなりの降雨があったようだ(昨日の夜8時前には豪雨がありました。雷怖かった)。これだけ気温が下がれば、回転は上昇する。実は、寺田の整備の理由はこれだった。

 

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 部品交換の有無を問いかけると、「ヒ・ミ・ツ」と口を手でふさいだが、泣き真似をしたら「リ・ン・グ」と教えてくれた。

「回転が上がってきたら、交換しようと思ってたのよね。だから、予定通り!」

 前検も含めると4日間乗ってきて、「回転上がったらリング交換」という感覚が寺田にあったのだろう。つまり、このタイミングを待っていたわけで、それは進出戦の枠がどうとかは関係ないのである(万が一予選落ちしていたとしても、同じことをした可能性がある)。昨日までの気配とか成績とか、この気候の変化下ではアテにならない。進出戦に手応えをつかんだ状態で臨むため、早めに動き出して感触をつかんだり、整備をして変化に対応したり、ということが必要だったのだ。

 とはいえ、それでもやっぱり珍しい光景には違いなく、男子と女子の調整方法にはやはり違いがあるのだと納得。これだからレディチャンは面白いのである。

 

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 そんななかで、渡辺千草と宇野弥生がゲージ擦りをしていました。何度も書いているとおり、優先順位がそれほど高くない作業で、おおむねエンジンが出ている人が取り組んでいるもの。急いで調整をする必要がないのか、それとも昨日までの気配を今後に生かすためにゲージをとっているのか、いずれにしても余裕がうかがえるわけである。宇野がニッコニコで渡辺に話しかけたりしていて、なんだか楽しそうな雰囲気でしたよ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

 

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 守屋美穂はわりとゆったりした雰囲気だったように思います。

 

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 長嶋万記はキャリボディーを磨いているところを目撃。かなりの集中力、というか、何かを深く思案中、という感じで、迫力があったぞ。