BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――静かな雰囲気のなかで

 

 

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 さすがに今朝は、係留所に空きがあった。準優組のボートは日高逸子のみ。とはいえ、どうやら朝のスタート特訓後にボートをつけておいたということのようで、1Rが終わると早々に陸に引き揚げている。かくして、2R発売中には一般戦組のボートがつながれているのみで、序盤の時間帯に水面に飛び出ている準優組はいなかった、ということになる。

 静かである!

 

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 そう、なんとも静かな雰囲気の序盤のピットであった。準優組に目立った動きは特になく、地上波放送のインタビューに応える選手たちも、収録が終われば近くにいた仲間とゆったり会話を交わしているといった場面をよく見た。平山智加と平高奈菜の“香川ひらひらコンビ”は、実に楽しそうに談笑。そこにインタビュー後の松本晶恵が加わって、井戸端会議のような雰囲気を醸し出していたり。3人のどの顔も笑顔で、いずれも準優組だと考えれば、実にいい朝を迎えているというところか。

 

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 寺田千恵も、報道陣だったり、関係者だったりと談笑していた。それもけっこう長い時間。この人が今さら準優日に普段と違った雰囲気になるとは思えないが、それでもかなりのリラックスぶりだ。昨日は本体整備をしていた寺田、しかし今日はそうした大きな作業をすることもなく、余裕がうかがえる。

 

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 選手たちが会話を交わしているシーン、ほかにもいろいろと見かけた。ニコニコ顔の谷川里江と報道陣、とか。海野ゆかりと田口節子、とか。レースの話をしているようではあったが、表情は切羽詰った感じではなかった。あ、そうそう。実際、仕事の話をしている選手ももちろんたくさんいるわけである。背中から聞こえてきたため、誰の会話かわからなかったが「今日も気圧低いよね」「1009、だって」という、調整にも影響のある気候の話をしている選手たちもいた。これ、ピットのモニターでレースを観戦しているときのものであって、目で仲間の走りを追いながらも、自らの調整を気にしていたわけである。

 

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 長嶋万記と細川裕子という組み合わせも。やはり穏やかな笑みをこぼしながらの会話だったが、別れてからの長嶋万記が表情を一瞬で変えている。かなり鋭くなったのだ。開会式でコミカルなパフォーマンスをしたり、話しかければ明るく笑顔で答えたりと、基本的には陽気なマキちゃんだが、仕事にとりかかるとその集中力は見事だ。目つきはぐっと険しくなり、ちょっと話しかけづらい雰囲気さえ感じることもある。個人的に仲がいいほうの選手なのに、だ。細川と別れてからの長嶋は、それがさらに先鋭的になっていたと思う。近況スランプとも言える状況、そこから抜け出すきっかけを探して、奮闘している長嶋。それだけに、やや悲壮とも言える表情を見せていて、彼女の本気ぶりが伝わってくるのだ。準優勝戦を脱出のきっかけとすることができるか、注目することにしよう。

 

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 さて、もっともプレッシャーを感じて12Rに臨むであろう今井美亜。挨拶を交わした程度だったが、雰囲気は昨日と変わらないように思う。中谷朋子と会話を交わしながらペラ調整している姿もあって、そうした作業、会話が気を紛らすものになっているだろう。もちろん、本格的に緊張が襲ってくるのはこれから。いかに乗り越えるのか、しかと見届けねばなるまい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)