BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――若者の背中

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171213193413j:plain

 峰竜太がほこらしげにTシャツを見せびらかしに来た。

「SGに来てる若い選手でチームを作ったんですよ。そのTシャツなんです」

 背中には「ニュージェネレーション」と英語で刻まれている。

「新世代、ってことですよね?」

 そう、まさしく新世代! これは彼らの決意表明ではあるまいか。自分たちの新世代が、強くてどうしようもない上の世代を打ち倒し、世代交代を成就させる! そんな思いがなければ、支部を超えての揃いのTシャツなど作ろうなんて発想は浮かばない。どうやら新田雄史が作ったものだそうで(その新田は着てませんでしたが・笑)、峰は「ニュージェネレーション」という言葉をおおいに気に入っているようだ。

 というわけで、背中を写真に撮らせてもらったわけだが……峰竜太ファンの皆様、顔が写ってなくてすみません(笑)。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213194602j:plain

 背中ついでに、このユニフォームも。トーキョー・スプラッシュの新ユニフォームだ。東京支部のユニットは、トーキョー・ベイ・パイレーツに始まり、トーキョー・パイレーツ、そしてトーキョー・スプラッシュと推移。これまでは支部のトップどころがメンバーとなっていたが、スプラッシュはトップクラス、若手、女子の3カテゴリから構成されており、総勢20名ほどがメンバーに名を連ねている。この背中は山田哲也だが、もちろんヤマテツもその一員。よく見ると、裾のあたりに「BOATRACE HEIWAJIMA」の文字が見え、年末グランプリ(賞金王)を見越したものであることがうかがえる。チャレンジカップ前のSGでは、ダービーには三角哲男のみの出場で、今回参戦6名中5名が今節が最後のビッグとなる。大きく賞金を上積みするチャンスは今回だけ! 平和島聖戦に東京支部ゼロは絶対に許されないのだから、ヤマテツを含め、全員が気合の入るシリーズである。若松で大きく華麗なスプラッシュを生め!

 

f:id:boatrace-g-report:20171213194635j:plain

 ところで、前検時に大きな作業をしている選手というのは、基本的にはそう多くはない。まずはギアケース調整をする選手が多く、もちろんペラ叩きに没頭する選手もたくさんいる。大きな整備は1回走ってから、という選手が多いのだ。しかし今日、赤岩善生が早くも本体を割っていた。ピストンを外して、見守る整備士と話し込むというシーンがあり、交換の有無までは確認できなかったが、この早い動き出しは赤岩であってもそうそう見かけるものではない。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213194658j:plain

 よく見ると、隣では守田俊介も本体を割っていた。俊介が!? あまり整備をする姿を見たことはないのだが……。なにしろ飄々とした表情が多い人なので、早くも動かなければいけないという焦りがあるのかどうかはさっぱりわからんのだが、しかしこれは珍しい光景で、前検日であることを思えばなお珍しい。手応えや、いかに。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213194743j:plain

 ドリーム組では、毒島誠と井口佳典がとにかく泣いており、ともに景気のいいコメントはいっさいなし。このままでは厳しい、というのが今日の感触であり、明日は大きな整備もあるかもしれない。ひとまず今日のところは、毒島がギアケース、井口がペラと、まだ目立った動きは見られなかった。明日は1日たっぷりあるので、どんな調整をしてくるのかに注目しよう。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213194802j:plain

 一方、田村隆信は「いい感じでした!」と声が弾んでいた。6号艇だけど、侮れないか? いや、そもそも6号艇だからといって、黙って6コースはない男である。足が良ければ、戦略の幅も広がる。ドリーム戦が実に楽しみになってきた。

「コースは内側の人次第で」

 そういって言葉を濁した田村だが、なんか意味深だと思いませんか? 内の人など関係なく、変幻自在な動きを見せる人が言った言葉だと考えれば、その裏には何か思惑が潜んでいそうだ。明日のドリーム戦、絶対に見逃せないぞ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)