BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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常滑ダービーTOPICS 2日目

激辛の3カド

 

11R

①今村 豊 20

②江口晃生 15

 ………

③太田和美 12

④井口佳典 12

⑤仲口博崇 12

⑥深谷知博 13

 

 今日の11Rは私にとってのドリームレースだったので、メンバー表とstタイミングを併記しておく。え、②と③の間が空いてる?? レースを観た人なら、わかりますよね!(笑)

 

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 昨晩から私の脳内は、このレースばかりを映し出していた。何十回か走らせて、約90%が「4カドから井口がまくり、仲口がまくり差してバック挑戦のパワー比べ」というベタな展開だった。いわゆる希望的観測というヤツだな。が、約10%ほど、この美味しい展開を危うくさせる存在がちらついた。

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浪花の勝負師・太田和美だ。井口&仲口がメチャクチャ伸びると知っていて、何も策を練らずに戦う男ではない。スタートを大奮発して井口の締めまくりにギリギリ耐え、先に自分が仕掛ける。そんな絵図が何度か浮かんだ。全体の約8%くらいで。そして、残りの2%くらいで私の脳内に浮かんだ光景が……現実となった。

 

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 あるいは、井口もそれを警戒していたのかも知れない。ビットアウトから元気に飛び出た井口は、すぐに艇を被せるようにして太田を押さえ付けた。そのまま艇を横に流し、ギリギリまで押さえ付けてから満を持して舳先を返した。が、その瞬間だった。太田もまた舳先をピット方向に翻したのだ。想定2%の枠なり2対4、太田の3カド確定。さすがの勝負師だ。

 

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 もちろん、ハナから決め撃ちの3カドだった(と思う)から、スタートも抜かりない。隣の井口にぴったり呼吸を合わせ、まったく同じタイミングでスリットを通過した。そして、それからの太田の航跡がこれまた激辛だった。すでに井口より先に仕掛ける権利を手にした太田だが、直進して微動だに動かない。自分よりじわじわと伸びて行く井口を1マークの寸前までブロックし、攻め手を完全に封じてからやっとまくりの態勢に入った。太田の航跡は大きくターンマークを外しているのだが、それはターンミスではない。「井口と仲口に何もさせない」という方針を貫き通した航跡なのだ。自力で仕掛けたかった井口と仲口は何もできないまま、やむなく2番差し、3番差しに回った。スピードを殺された、勝利には縁遠い差しハンドルだった。待機行動からスリットから1マークまで、完全に太田にしてやられたのである。私のベタな「節イチ決定戦」の夢も、この激辛の3カドによって水泡に帰した。残念ではあったが、より深いボートレースの駆け引き=醍醐味を見せ付けられた気もした。あっぱれ、太田。今日はただひたすら脱帽するしかない。井口VS仲口のパワー対決は、準優や優勝戦でまた堪能できるだろう。

 

韋駄天の外を狙え!

 

 

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 10Rでパワー出しに苦しんでいる森高一真が、とんでもない大穴をぶち開けた。4カドからのまくり差しで、3連単配当は約900倍!! このとんでも万シューの仕掛け人はといえば、2コースの菊地孝平だった。今節、伸び足に自信がある菊地がインの吉川元浩を握り潰している間に、森高のズッポリ差しが突き刺さったのだ。さすがの穴男。

 

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「森高の5、6号艇は、どんなにパワーがなくてもアタマで大穴がある(出てないときほどスタート勝負&決め撃ちで握るから)」と常日頃から肝に銘じている私だが、今日もこのギガ配当には手が届かなかった。ただ、森高に限らず、今節の常滑にはとんでもない配当が飛び出すべきムードが漂っている。穴を生み出す2大要素といえば

①進入がもつれるレース

②パワー(特に伸び)の優劣が激しいレース

なわけだが、今節のダービーはいつものSGよりも①②の比率が高い。特に②の要素が強く、スリットから伸びて仕掛けそうな選手が目白押しなのだ。10Rの菊地がまさにそのひとりだ。こういう選手が2~5コースにひとりいれば、いつでも穴になる。

 

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 菊地以外では石野貴之&吉田拡郎の90期コンビ、山田康二、白井英治、湯川浩司、平尾崇典、茅原悠紀、坪井康晴(あまりまくりに行かないが)などが、スリット同体からでも伸びなりに攻める可能性がある。それくらい、伸びる選手と伸びない選手の格差が激しいと私は見ている。もちろん、井口、仲口、松井繁も伸びる側のトップ級だが、もはやこの3人は人気薄にはならない。大穴を狙うなら、この3人を蹴飛ばし外の艇だけを買うべきだろう。

 

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 さらに言うなら、伸びがあってもなくても獰猛に握るタイプにも気を付けたい(いつものことだが)。今日の7Rでは、4カドの必殺仕事人・今垣光太郎がコンマ04のスタートから内3艇を攻め潰しに行った。この攻めは讃岐の勝負師・田村隆信にブロックされた(田村が代わりにジカまくり圧勝)が、やはり万シューの仕掛け人と言えるだろう。この今垣、田村(特に3コース注意)、森高、篠崎元志、桐生順平、山口剛、山崎智也らはパワー不問で常に警戒続けてもらいたい。うん、私も明日こそはっ!!!!

(photos/シギー中尾、text/畠山)