BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――仲口が!? カクローが!?

 

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 ピットに入ると、池上カメラマンが血相を変えて近づいてきて、整備室を指さした。何事かと思ったら、マジかよ! 仲口博崇が本体を割っているのである。

 1号機を本体整備!?

 昨日の時点で予選トップなのである。噂に違わぬパワーを見せつけているのである。だというのに、どこを整備する必要があるというのだ!? まさに驚きの光景だった。

 種を明かせば、単なる点検だそうである。やはり手をつける必要はないのであった。青山登さん曰く、機力が抜けているがゆえにしばらく割られていないだろうから(調べたら半年以上も手を加えられていない)、ここで分解して点検するのはいいことだそうだ。おかしなところがないことを確認できれば、精神的にも楽になれる。この作業はプラスに出るだろう、と。

 1号機のパワーに気を緩めることなく、やれることはしっかりとやって、レースに臨む。あと3回逃げれば、悲願が転がり込んでくるという状況に、仲口は万全を期して臨もうとしているわけだ。

 

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 同様の動きは、吉田拡郎も見せていた。ちょうど仲口と入れ替わりで整備室に向かった拡郎に、茅原悠紀が「エンジン整備ですか!?」と驚いた声をあげている。拡郎もなかなかの好パワーで、茅原から見てもエンジンをばらす必要はないと見えるのだろう。しかし、カクローもまた手を緩めない。仲間も予想していなかった作業で、やはり万全を期そうとしているわけだ。

 

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 そういえば、瓜生正義が3日目か4日目に、エンジン絶好調にもかかわらず本体を割っている姿はよく見かける。これも点検であって、瓜生の場合は「いいエンジンのデータをとっておくんです」という意味もあるそうだ。

 整備室で本体を割っているのは、決して苦戦している選手ばかりではない。改めて、そう知らされる朝の風景なのであった。

 

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 さてさて、勝負駆け。1Rからノルマを抱えた選手が登場している。1号艇が回ってこないのに6号艇が回ってきている新田雄史は、ここはなんとか2着以上が欲しいところ。3着で6・00だが、ボーダーがもう少し高くなる気配濃厚という状況で、6コースから渾身のハンドルを入れている。しかし、及ばず3着。もちろん予選突破の可能性はあるが、相手次第という状況で予選を終えることとなった。

 得点率状況を新田は理解していただろう。さすがに、足取りには力がなかった。仮に6・00でも予選突破の目があったとしても、1着なしの6・00である新田は上位着順差で不利である。それもわかっていただろうから、落胆するのも当然。チャレンジカップF休みの新田は、2年連続賞金王出場のために何としても結果を残さねばならなかったから、余計に気分は上がらないわけである。

 あ、この写真は2R後です。10年浜名湖新鋭王座で、まるまる3周のデッドヒートを繰り広げた2人のツーショットであります。今節は二人とも不本意であろう。次の機会には、あの名勝負の再現を期待したい。

 

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 その1Rを勝ったのは山田康二。SG初1着おめでとう! 出迎える深川真二と峰竜太もニコニコ顔で、その祝福を受けた山田も当然ニコニコ顔である。これで2走目の勝負駆けが楽になったのも大きい。まだ準優当確ではないが、気分的にもいい状態で10Rに臨めるであろう。さまざまな人たちに祝福を受けて、山田の顔には笑顔しか浮かんでいないほど。後半は連勝に期待しよう!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

 

 

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なんかおっかない二人ですね……。