BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――新鮮!

 

 

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 やっぱり不思議な感覚なのである。今年のオールスター(笹川賞)は女子選手が大挙12人、参戦した。女子がズラリとSGにいる、という光景はすでに見たはずである。しかし、やはり今節は何かが違う。男子がSGを走り、女子がGⅡを走る。違うレースを走る選手が、ここに揃っている。それがどうにも不思議なのである。

 前検も、通常9班構成が、今日は10班構成。1~6班がSGで、7~10班がGⅡ。参加選手数が違うから、こうなる。前半と後半の間に後半組の試運転タイムが設けられているのは同様で、6班のタイム測定とスタート練習が終わったあとに女子の試運転タイム。つまり、それまでは装着場に女子のボートしかなく(というか女子は全員がまだ着水しておらず)、6班が終わって一斉にリフトに向かうという光景となった。何はともあれ、初めて見るシーンには違いない。

 

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 そうそう、モーター抽選記事にもあったが、記念にあまり馴染みのない女子選手がいるのは、本当に新鮮ですね。女王・水口由紀をはじめ、岸恵子、中谷朋子、大瀧明日香、向井美鈴らはSGで会ったことがないから、王者とか瓜生とかと同じ場所にいるのを見て、ちょっと感慨深くなってしまったり。

 

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谷川里江は以前、東海地区選を一節取材したときにいたことがあるから、あまり違和感がなかった。高橋淳美は名人戦にいて、何しろ優勝戦にも乗っているのだから、なお自然に見えた。ただ、王者や田中信一郎と高橋が話し込んでいるのはちょっと新鮮だったけど。王者にとっても信一郎にとっても、あっちゃんは先輩です! あと、遠藤エミ、松本晶恵は2カ月前にヤングダービーに出ていたから、やはり違和感なし。松本と毒島誠が談笑しているのは、これまた新鮮でしたけどね。

 

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 そうだ、竹井奈美ともここで会いたかったなあ。9月に小野生奈&竹井奈美と芦屋でトークショーをさせていただいた。そのときに、竹井と「11月24日、下関で待ち合わせね!」と約束したのだ。竹井はレディースチャレンジカップの勝負駆けを戦っており、勝ち抜いて下関で会おうと煽らせてもらったわけだ。結果、竹井は次点の21位。それも20位の向井美鈴と2500円差! というわけで、小野とは「2500円くらい、僕があげますよ!」「私は5000円あげて、釣りはいらないよって言いますよ!」と話し合った次第である。そして当然、「竹井ちゃんの分まで頑張りますよ!」と小野。彼女は今節、クイーンズクライマックスの勝負駆け。竹井ちゃん、遠くからエールを送っていてくださいね。

 

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 目をSGに向ければ、32名という“少人数”である感覚はなぜか起こらず、いつものSG前検だなあ、と思う。そう、意識的に「SGのみ」の視点になってみれば、やはりこれは最高峰の戦いであり、普段と変わらぬ光景がそこにある。

 今垣光太郎が、いつまで経っても整備室から出てこない、というのも、まさにいつものSGであり、いつもの光ちゃん。とことんまで点検などをしてからモーターを装着するから、着水はいつだってラストのほうになるのだ。今日は女子も含めて、シンガリでしたね。だから実は、今垣は前検日に試運転をほとんどできていない。着水して、係留所にボートをつければ、すぐにスタート練習が始まるからだ。1周でもできたら、早いほうでしょう。

 

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 今日は吉田拡郎もギリギリの着水となっていた。いきなりプロペラをがしがしと叩いていたのだ。ドリーム組の多くは「今日はプロペラ叩いていない。見てもいない」と言っていたが、拡郎だけは別の動きを見せた。そう、拡郎はドリーム組だから、前検1班である。SG初ドリームであり、普段なら7班とか8班だから、その感覚でいきなりペラ調整に入ったか。結局、スタート練習が始まるギリギリにようやく着水。というか、拡郎がいなければ始められませんからね。「すみませーーーーーんっ!」と苦笑いしながら水面に向かう拡郎なのだった。

 

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 その拡郎をはじめ、ドリーム組は会見で明るいコメントを出していたなあ。

「今日はゆっくり、明日はじっくり。前検としては合格点」(菊地孝平)

「いい感じがした。出足系ですね」(松井繁)

「まだしっくりきていないけど、心配することはない」(白井英治)

「太田さんに伸びられたけど、一緒になるくらいに仕上げたい」(吉田拡郎)

「良かったですね。締め切るほどではないけど、ちょっとずついい」(太田和美)

 松井は「ピット離れ出たら、(インを)獲ります」と、いつものドリーム会見ではあまり聞いたことのない毅然たるコメントも出した。うーん、みんないいんなら、内が有利だよなあ。

 

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 で、「今日はまだ回っていない。足合わせでブスにやられた」と語った山崎智也だが、なんと前操者がチルト0度で乗っていて、それに気づいていなかったことが判明。「えっ、そうなんですか!? 見てないです(苦笑)」。セッティングも把握してなかったわけだから(笑)、明日はきっちり仕上げてくるだろう。というか、智也、なんだか余裕なのだ。なにしろ、ブス=毒島誠と大笑いしているところを複数回目撃している。

 

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 そう、毒島も余裕なんですよね。最近の毒島は、強烈なピット離れで内コースを奪うシーンをよく見せる。下関はピットから2マークまでの距離が長いので、今節もありそうだな~。明日は1号艇と2号艇だが、明後日からはもしかして……!?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)