BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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下関チャレカTOPICS 3日目

悲喜こもごもの……

 

今日の下関水面はいろんなことがあったなぁ。ダイジェスト風に1日を追ってみよう。

 

2R

1周2マーク、鎌田義が山口剛のツケマイに激しく抵抗して山口が転覆。賞金24位の鎌ギーは無念の妨害失格(賞典除外)で賞金ランク18位超えは不可能になった。同じく27位のツヨポンも負傷帰郷でゲームセット。SGで事故の多いツヨポンだが、今日の転覆は心身ともに激痛が走り抜けたことだろう。来年こそはっ!!

 

3R

ミスター今村豊が2周1マークで他艇とは関係なくキャビり、後続艇に不利を与えたため7点の減点を喰った。走り慣れた水面でありえないような振り込みだったが、ちょうど満潮時でうねりがあったのだろう。賞金ランク6位を狙う身としては痛い減点ではあった。

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     ↓

8R

だが、転んでもタダでは起きないのがミスターだ。後半の8Rは、5コースからスピード感溢れるまくり差しを決めてしまった。本当に53歳なのか、ミスター?? このカッコ良すぎる1着で予選19位まで浮上し、明日の勝負駆けに明るい光を点した。雨のち晴れ、の慌しい1日だったね、ミスター!

 

3R

 

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絶対エース機に異変?? 前検からゴキゲンな気配を見せ続けている太田和美64号機だが、今日の2着はちょっと物足りないものだった。インの徳増秀樹を回しての2コース差し。ターン出口でその舳先が入りかかり、「バックで完全に捕まえるだろう」と見ていたのだが、2マークまでに舳先を入れきることができなかった。バックで少しずつ締められたから、無理に競らずに外に持ち出したのかもしれない。うーーん、それにしても、見ていてやや残念な直線の伸び比べではあった。本人が言うように、伸びよりも出足型なんだな。もちろん、ターン回りは惚れ惚れするような力強さだった。

 

4R

 

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ミスターはミスターでも、こちらは「ミスター4カド」だ。昨日に続いて今垣光太郎が前付け艇を入れて4カドを選択。スリット全速で半艇身ほど覗くと、迷うことなく内の艇を締めてから鋭敏なまくり差しをぶっこんだ。昨日は一撃まくり、今日はまくり差し。4カドの今垣は、特に前付け艇を入れて4カドに引いたときの今垣は必ずと言っていいほど内を攻め潰しに行く。3コースまくりが主流になった今、「4カドからまくる」と迷わずアタマ決め撃ちできる選手は光ちゃんくらいだろう。いつも思うことだが、彼の“平常心”は我々にとって異次元の領域だ。

 

10R

 

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どうした、瓜生?? 瓜生正義が他艇とまったく関係なくコロンとすっ転んでしまった。こちらは2マークでのアクシデントだったが、今日の下関には魔物が潜んでいたのか。ミスター今村と艇聖・瓜生が同じ日に極端なターンミスを犯すとは……もちろんこの転覆は選手責任マイナス5点となり、明日がメイチの勝負駆けになってしまった。1着でも5・20、生き残れるかウリュー??

 

12R

いやぁ、2着争いが沸いた沸いた、群馬の若きエース毒島誠が先行し、岡山の若きエース茅原悠紀が追撃したこのレース。あのダービーも凄かったが、茅原の追い上げはヤバすぎる。2周1マークは最内にいた菊地孝平をターゲットにしての全速まくり差し。この恐ろしい光速モンキーに、菊地が後方へ置き去りに。毒島の応戦であっぱれで、2周2マークは外から全速のツケマイと見せかけ、茅原が張り気味に握ったところで差しに切り換えた。Vモンキー?? 

 

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これで毒島が完全に主導権を握ったと思いきや、3周1マーク、茅原が全速まくりで再び舳先を並べた。そのターンの速いこと速いこと! 最終ターンマーク、内で必死に粘る毒島に再び強ツケマイを浴びせて、熾烈な2着にケリを付けた。機力・気力・スピード・テクニック、すべてが完璧に揃った凄いデッドヒートだった。文句なしの今シリーズのベストバウトだ。そして、この争いは数年後のグランプリでも再現されることだろう。いや、それは1カ月後かも知れないな。それくらい質の高い一騎打ちだった。(photos/シギー中尾、text/畠山)