グランプリ組の気配
平和島グランプリ&シリーズの前検が終わりました。何はさて置き「Wモンスター」の気配をお伝えします!
★仲口博崇=53号機
うーーん、気持ちいいっ! 足合わせは「上位くらいか」というムードだったのが、スタート練習では一変。スローの起こし(すべて2コース)から感度抜群の出足でするする伸び、スリット付近でマックスの加速度になり、インの井口を瞬時に1艇身ほど置き去りにしていた。井口の出足がかなり鈍そうだったせいもあるが、明日の12Rでスリット同体・全速ならばおそらく仲口がまくりきってしまうだろう。このエンジンは、実戦でさらに化けるのだ。採点はSS。
★桐生順平=70号機
ちょっと判断が難しい。足合わせは誰と合わせても「ちよっと強め」程度で、スタート練習の1・2本目もそれほど豪快に伸びるムードはなかった。ただ、3本目に6コースから全速で行ったとき、スリット手前からギュイ~ンと唸るようにして伸びていった。この70号機の持ち味は剃刀のように切れる瞬発力なので、スリット全速かどうかで破壊力が激変すると思う。桐生の度胸に期待したい。採点は最後の足を重視してS。
3日目から始動するベスト6組も前検を行ったが、足合わせでもスタート練習でもあまり大きな差を感じなかった。ちょっとだけ良さげに見えた選手をふたり挙げると
★白井英治
足合わせは師匠の今村豊と回り足~出口~ストレートまでまったく同じに見えた。何千回も合わせたコンビだから、完璧に息が合ってそう見えたのかも? ベスト6のスタート練習では、スローでもダッシュでも白井が1/3艇身くらい覗いていた。決定的なメリットとは言えないが、スリットからわずかでも主導権を握れるのは大きいかも知れない。
★太田和美
こちらもスリット付近の足がいい。スローの2コースでも5カドでも、少しだけ他艇を煽る行き足~伸びを見せた。つまり、白井と太田が同じような足色でちょっと強めだったわけだ。ただ、ベスト6組には実戦までたっぷりの時間が残されているから、今日の気配は参考程度にしておくべきだろう。
シリーズ組の気配
続いてシリーズ組だが……予想どおり、ほとんどどの班も横並びに見えたなぁ。これから挙げる選手にもSは授けられず、すべてAランクまでだな。
★前本泰和
足合わせで“シリーズエース”の鎌ギー76号機に軽く競り勝っていた。また、スタート練習でもスローダッシュ問わず、1/3艇身ほど伸びていった。一撃の破壊力はないが、しっかり着をまとめられる足だと思う。
★東本勝利
誰と合わせても伸びが強め。スタート練習でもスリットを過ぎてから加速していく感じで、シリーズではトップ級の伸び型だと思う。性格的にも迷ったら握るタイプでもあり、常にアタマで一発大穴を警戒しておきたい。
★黒井達矢
相手の名を追い切れなかったのだが、足合わせで内からギューーンと伸びて千切り捨てていた。「お、黒井が節イチか??」と色めきだったものだが、メチャクチャ期待したスタート練習は案外で他艇と同じような足色だった。あの出色の足合わせは、なんだったのか?
★田中信一郎
例によって早めに水面に出てサッサと足合わせをするのだが、今日はかなり強めに見えた。ターンの出口からシュッと伸びていく感じで、出足~行き足がいい。信一郎向きのパワーだと思う。
★吉村正明
足合わせも全体的に強めだったし、スタート練習も力強い気配を感じた。質のいいバランス型で、シリーズの中ではかなり安定感のあるパワーだと思う。人気の盲点になりそうなだけに、迷ったら吉村か!?
前検タイムです。
●前検時計TOP10
①茅原悠紀 6.55
②池田浩二 6.58
③瓜生正義 6.59
④今村 豊 6.60
井口佳典
⑥東本勝利 6.61
⑦山崎智也 6.66
田村隆信
馬場貴也
⑩仲口博崇 6.67
吉田拡郎
な、なんなんだ、茅原のこのお化け時計は? 最近、福岡のレコードを更新したばかりだが、どこまでこのスピード狂は進化を遂げるつもりなのかっ!? 40号機は「離れた3番手モーター」という評価なのだが、この若者が乗れば節イチ級に跳ね上がっても不思議じゃないな。ちなみに上記のトップ11人のうち、グランプリ組はなんと9人!! やっぱり相対的なパワー差は歴然であり、裏を返せば東本の伸びがシリーズでは抜けているとも言えるだろう。やっぱ怖いぞ!
●前検ワースト5
①柳沢 一 6.85
篠崎元志
③石川真二 6.82
飯山 泰
新田雄史
黒井達矢
逆にこちらはシリーズ組が独占。ムムム、一発の足合わせでバカに良く見えた黒井がワースト圏内?? 実は厳しいのか。そして、黒井は誰と合わせたのか……柳沢か元志だったのかなぁ。謎。(photos/シギー中尾、text/畠山)