BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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シリーズ戦TOPICS

静岡躍進!

 

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 強い向かい風が吹き荒れた平和島で、静岡勢が大暴れだ。2Rで坪井康晴があっさり逃げきると、4Rの金子良昭名人も他艇を寄せ付けずにきっちりイン逃げ。続く5R、この大先輩が作った流れに乗って、浜名湖で記念レーサーの仲間入りを果たした深谷知博も鮮やかに逃げきった。前半6レース中3勝の固め打ちだ。

 

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 まあ、イン逃げ3発だけなら「枠番に恵まれた」という見方もできるが、後半になってもその勢いは止まらない。8Rで深谷が冷徹な差しハンドル(まくってほしい隊形ではあったが)手堅く2着ゲット。続く9Rでは、差し屋のイメージが強い坪井が3コースから豪快に内2艇をまくりきった。

 

 

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ただひとりの初日ピンピン発進で、早くもV戦線の有力候補になった坪井。もちろん、胸中に秘める大目標は「菊地孝平との同県同期W・SG制覇」というギネス級の快挙だろう。本番を控える菊地にとっても、坪井の活躍は大いなる追い風になるに違いない。10Rでも徳増秀樹が4号艇からキッチリ3着を奪い、4人で6戦111123着はあっぱれの一語だ。

 

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 が、ただひとり、このリズムに乗れなかったのが総大将の服部幸男だった。1Rの4着はまだしも、6Rでは平尾崇典×辻栄蔵の大競りアクシデントにドン突きして転覆失格。舟券に絡めそうな展開だっただけに、不運としか言いようがない。2走2・00で早くも崖っぷちに立たされた服部。明日からの巻き返しが、そのまま菊地への熱いエールになるはずだ。1号艇の6Rは、必勝のスタートを決めてくれるだろう。

 

憲吾の大逆襲

 

 

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 6着に大敗したというのに、このタイトルは嫌味か?? そうではない。確かに敗れはしたが、今日の10R特別戦のレースっぷりは素晴らしいものだった。6号艇6コースからひとりだけゼロ台のスタートを決め、気迫に満ちた自力でのまくり差しを繰り出した。たまたま航跡が吉田俊彦と重なって失速を余儀なくされたが、あと30センチほど間隔が広ければ間違いなくアタマで突き抜けていた。勝った俊彦より、スピードも角度も上回っていた。結果は6着でも、「1着と紙一重の6着」だったとお伝えしておく。

 

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 さらに、このドン突き失速ではるか最後方に置き去りにされた憲吾だったが、そこからの追い上げの力強かったこと。周回ごとにグングン先団との差を詰め、あわや5着というところまで追い詰めた。おそらくパワーも上位なのだろうが、それより何より、諦めず執拗に追撃する憲吾の姿に私は感動を覚えたぞ。グランプリ争いでは、最後の最後のレースで惜しくもベスト18位を取りこぼした憲吾。さぞや落ち込んだのでは、と思ってもいたのだが、今日のレースを見て安心した。そう、東都のエースには落ち込んでいるヒマなんかないのだ。再来年の春には、またこの水面にSGがやって来るのだから。憲吾よ、今からしっかりとその照準を見据え、今度こそ早い段階でスッキリと権利をゲットしてくれ!(photos/シギー中尾、text/畠山)