BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@グランプリ――特別な気合

 

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 平和島では、1着を獲るたびにカウリングに★が貼られる。1Rを勝った湯川浩司のカウリングにも、ピンクの星がぺたりと貼られた。その隣にあった茅原悠紀のボートをふと見ると、おーーーーっ! ゴールデン・スター! 一回り大きい、金色に輝く星が貼られているではないか。やっぱり、グランプリでの勝利はひときわ誇らしい! たった10個しか用意されていないゴールデン・スターを、トライアルで奪い合うというわけである。

 

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 まあ、これはあくまで余禄であって、やはり本当に欲しいのは金のヘルメットと1億円。そのチャンスを得るための戦いは、昨日のトライアル1st初戦を見るまでもなく、激しいものである。それだけに選手の気合もまた一段と高まる。それを感じずにはいられないのは、池田浩二である。

 常滑ダービーでの池田は、とにかく気合パンパンだった。生まれ育った常滑というふるさとへの思い入れもプラスされた池田は、普段は見られないほどに険しい表情をしていたし、近寄りがたい雰囲気を発散していた。それはふるさとでのダービーなのだから当然、とも思えていたわけだが、今日の池田もあのときの池田だ。平和島なのに、常滑の池田なのだ。

 やはり、これが最高峰の舞台というものだろう。まずはクリアしなければならない、今日の勝負駆け。そこに向けて、池田はメンタルも着々と仕上げている。我慢の連続だった今年1年、ここですべてを解き放つべく、池田は闘志を燃やしているのだ。

 

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 そういえば、毎年「初出場選手の様子はどうか?」なんてことを気にしていたような気がするが、今年はまったく頭になかった。つまり、「初めての賞金王でカタくなってはいないか」。言うまでもなく、もっとも特別な舞台であるグランプリ。誰もが目標とし、特に手が届く位置にいる選手にとっては念願である。もちろん、常連選手であっても、この時だけは普段以上の気合と緊張感で戦う。それを対戦相手として肌で感じれば、また心持も変わってくるはずだ。しかし、今年の初出場選手は、なぜかそんな感覚を忘れさせるようなところがある。茅原にしても桐生順平にしても吉田拡郎にしても、この舞台に緊張している様子も怯むところもなく、どこか自信たっぷりに見えるわけである。

 昨日勝った茅原は特にそうだし、吉田はそもそもの気持ち自体がめちゃくちゃ強いし、強いて言うなら桐生がややカタめというところか。つまり、彼らは初出場にして、本気で黄金のヘルメットを獲りにきている。初出場で光栄に思うところで立ち止まってはいないのだ。よって、彼らから伝わるものも、ひたすら気合。桐生とは間近で顔を合わせたが、マスク越しにも強い決意はビンビンと感じられた。

 

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 昨日は最後の最後まで調整と試運転を続けていた2nd組は、今日も早くから動いている。1R前後に白井英治が係留所にいるのを見かけたし、その後はペラ室にも姿があった。もっとも精力的に動いていた2nd組はこの人か。

 1R終了後には、王者も自身のボートに向かい、着水の準備を進めていた。今日もたっぷりと時間を費やす心づもりか。ということは、今日も最後の最後まで姿が見られるかも。今日は2nd出場選手(ここ発進も1st勝ち上がり組)も会見が行なわれることになっている。王者をはじめ、2nd発進選手の感触がおおいに気になってきたぞ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)