BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@グランプリ――嵐の前の静けさか?

 

 

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 今朝は思いのほか、静かな朝であった。準優デーだと思えば、まあいつも通りではあるが、トライアル第3戦の朝って、こんなんだったかなあと。年に1回のことゆえ、記憶が薄い。

 係留所をざっと見渡しても、太田和美と丸岡正典のボートだけが見えるのみ。振り返って装着場を見渡せば、トライアル組のボートはほとんどがそこにあるのであった。朝の特訓を終えて、今はまだ始動前、というところだろうか。

 

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 装着場で頻繁に見るのは、白井英治のみ。連勝を決めた翌朝だからか、なんとも透明感のあるいい表情だ。シリーズ記事に書いたとおり、平田忠則と談笑。実にスッキリした笑顔で、平田と楽しげに会話を交わしていた。やはり、12月22日をもっともいい精神状態で迎えたのは、この人で間違いない。あとはそれを結果に結びつけるだけだ。

 

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 やがて、トライアル組もちらほらと装着場で姿を見かけるようになっていった。松井繁は、地上波放送のインタビュー収録に登場。勝負が懸かった一日だけに、ピリピリしているかと思いきや、そうでもなかった。まあ、こんな修羅場は何度も何十度も何百度もくぐってきた王者だからなあ。吉田拡郎も、ゆっくりとした足取りで装着場にあらわれた。昨日よりはぐっと顔つきに力強さが出てきているが、しかしまだそこまで気合を前面には出していない。思索にふけるような表情も見せていて、それを行動に移すのはまだ先なのだろう。

 

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 1Rのエンジン吊りにはさすがにトライアル組も数多く参加。飯山泰のエンジン吊りには山崎智也と毒島誠の姿。今日はボート洗浄の日でもあって、ともにテキパキと、そして黙々とこなしている。特別な雰囲気といったものは感じられず、するべき仕事をきっちりとしている、という雰囲気だった。

 

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 といった具合に、トライアル組の目立った動きはほとんどと言っていいほど、見られなかった朝なのだが、2R発売中になったら少しだけ様相が変わった。白井が先陣を切って水面に出ると、次々にトライアル組も動き出したのだ。

 そのなかで、感じるものがあったとすると、茅原悠紀。1Rのエンジン吊りを終えると、まるでエンジンを急発進させたかのように俊敏な動きを見せて、あっという間に着水の準備を済ませて、水面へと飛び出していったのだ。1号艇で迎えるトライアル最終戦。もちろん有利な枠だが、簡単に逃げられるようなメンバーでもない。機力も気力もきっちり仕上げて、先輩たちを迎え撃つのだという気合が感じられた。

 おそらく、他のトライアル組もじわじわと闘志を高め、レース前には鋭い気配を見せてくれるだろう。ということは、これは嵐の前の静けさか? 運命のトライアル第3戦、見逃し厳禁である。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)