BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――走る!

 

 

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 みんな走ってるな~。

 前検ピットの印象は、それだ。住之江のピットは、広い。いや、長い、が正確な言い方だろうか。ボートリフトは2マークの目の前にあって、控室は展示ピットの奥。つまり、ピットアウトから2マークまでとほぼ同距離だ。だから、控室方面にいる選手たちは、選手が水面から戻ってくる際にはかなりの距離を移動することになり、だから今日でなくとも選手が走っている姿は日常の光景である。

 それにしても、みんな走ってるな~。住之江のピット取材はほぼ賞金王だったわけだが、それ以上に女子選手たちは走る!のである。小柄な樋口由加里が全力で走っている姿は、実にかわいらしかったです。

 

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 みんな走ってるな~のイメージは、ボートリフトへのダッシュ以外でもそういうシーンを見かけるから、頭にこびりつくわけである。係留所で調整作業をしていた落合直子は、いったんペラを外すとペラ調整室へ全力疾走! スタート練習&タイム測定に時間が残されていなかったこともあるが、その必死な姿はやはり印象に残る。

 

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 おっと、堀之内紀代子も走ってるぞ! 前検日というのはいつだって慌ただしいもの。わずかな時間をも惜しむ気持ちが、こうした光景を生み出しているわけである。堀之内といえば、岡山支部。岡山支部といえば、茅原悠紀! 今、岡山に流れが来ているぞ~。クライマックスにも寺田千恵と守屋美穂が参戦、彼女たちにいい流れをつなげるよう、堀之内の奮闘にも期待しよう。もちろん、寺田と守屋のためというわけでなく、堀之内自身が最終日に笑えるように、という意味もある。

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 走っていると言えば、当然、新兵はもっとも走る、のである。こうした全国的注目を集める舞台には初登場となる105期コンビ=塩崎桐加&渡邉優美は、さっそくハツラツとした動きで目を惹いていた。自分の作業の合間に、リフトに猛ダッシュしては、先輩のモーターを整備室に運び込み、また自分の作業に戻って、リフトに走って……と実にキビキビした動きだ。おそらくは、これほどまでに報道陣が多いピットというのは初めてのはずである。しかし、そんな空気に怯むこともなく、一心に動き回っているのが実に気持ち良かった。レースでも、そんな姿を見たいな~。ネームバリューはまだまだこれからだが、実力的には急上昇の二人ですぞ! 美味しい配当を獲れるのは今のうちかも。ぜひ、若き2人に注目してください!

 

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 最後にドリーム組。雰囲気が目立ったのは、文句なしで魚谷香織だったな。笑顔を山ほど見ているのだ。去年の暮れに、僕はとあるインタビューで「クイクラに出たい」という思いの丈を聞いている。そのインタビュー自体はもともとライトなテーマのものだったのに、魚谷は真摯に語り始めて、トップ12への意欲を語ったのだ。だから、勝負駆けに失敗し、この場に来ることになったのは無念のはず。ところが、今日の魚谷はそんな部分を微塵もみせず、朗らかかつ柔らかい空気を醸し出していたのだ。

 それがかえって怖い、と思った。足の比較も見ていないし、本人と話もしていないけど、シリーズの主役となるのは魚谷か、とふと思ったりしたわけであります。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)