BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ぽかぽか陽気

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145353j:plain

 あくまで印象として、なのだが、例年クラシック(総理杯)ではピットの空気が穏やかに感じる(そしてここからSGごとにヒリヒリ感が増していくように感じる)。約3カ月ぶりのSGという高揚感なのか、グランプリ戦線はまだ序盤ということなのか、特に前検や初日あたりは和やかなイメージである。

 もちろん、すでに戦いは始まっているので、調整の方向性など思索にふけっている選手ばかりではある。ピットの隅から係留所でニードル調整などをしている選手を眺めていたら、いつの間にか目の前に王者登場。のけぞりつつ、おはようございますと挨拶を投げると、王者はまさに考え込んでいる真っ最中で、そこに声をかけられたものだから、かっと目を見開いて驚いたような表情になっていた。それが挨拶代わりだったのかもしれないけど。早くから松井繁がそんな様子であると確認できていたら、会釈だけに留めていたところだ。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145407j:plain

 そんな松井も、選手との絡みでは実に笑顔が多かったりする。1R、2015年SGオープニングを飾った石野貴之を出迎えた松井は、ニッコニコで石野に話しかけていた。石野はヘルメットの奥で照れ笑いを浮かべており、時折右手を顔のあたりでひらひらさせている。エンジン吊りやスタート展示の音にまぎれて会話の内容はまるで届いてこないが、「お前、すごいなあ」「そんなことないっす」みたいな軽やかな雰囲気が伝わってくる二人の様子なのであった。

 まあ、グランプリのピットであっても、選手同士の絡みには笑顔も多いのはたしかだ。仲間が周囲に入れば、顔がほころぶ場面が多くなるのは当たり前である。それでも、今日は笑顔がピットの空気を春の陽気のようにポカポカとしていたように思う(そう言えば、今日は今年一番の暖かさだとか)。なかなか心地いいものです。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145422j:plain

f:id:boatrace-g-report:20171218145437j:plain

 ざっと見かけた絡みを記しておきましょうか。瓜生正義と原田幸哉。76期同期コンビだ。SGのピットでは当たり前のように見てきた組み合わせだが、今回はけっこう久しぶり。幸哉がしばらくSGを離れていたから。やっぱり幸哉はSGの舞台がよく似合う。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145451j:plain

 深川真二と峰竜太。佐賀の両巨頭も、試運転の後などににこにこと話し合っている場面はけっこう見ます。峰にとっては深川は頼れる兄貴。今節は森永淳や古賀繁輝との絡みも見られるだろうが、ここぞというときは真二さんのところに足を向けるのだろう。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145506j:plain

f:id:boatrace-g-report:20171218145545j:plain

 珍しいところでは、須藤博倫と川上剛。足合わせをしたものと思われる。須藤も川上も声をあげて笑ってましたな。楽しそうでした。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145607j:plain

 そんななかでクスリとも笑う余裕がなさそうだったのが古賀繁輝だ。早々と本体整備に取りかかっていたのだ。今日は11R1回乗りだから時間がある。早いうちに気になる点を解消しようというわけだ。それにしても、SGではまずプロペラや外回りから調整を始める選手が圧倒的に多いなか、古賀はいきなり本体に手をつけた。というわけで、これが気配にどうなるかが非常に気になる。11Rは、実は黄色を本命にする予定なので、なおさらです。古賀繁輝の動きに注目しよう。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218145621j:plain

 あと、山本寛久もちょっと慌てていた。1R発売中にペラを手に吉田拡郎に歩み寄っていたのだが、拡郎が「あぁぁぁぁ~」と声をあげていたのだ。すぐに整備室に駆け込むカンキュー。ペラにヒビでも入っていた? で、たった今、5Rの直前情報で「山本寛久、新プロペラに交換」とアナウンスが。やっぱりか。今日明日はペラ調整に追われることになりそうなカンキューである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)