BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――本日の水神祭 古賀繁輝おめでとう!

 

 

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 1Rで古賀繁輝が1着! SG2節目にして、ついに水神祭を迎えることとなった。

 この水神祭が、実に傑作でありました。古賀は8Rとの2回乗りなので、後半レース終了後に水神祭が執り行なわれるのが普通。しかし、深川真二、川上剛の先輩二人は、峰竜太を伴って装着場に仁王立ち。勝利者インタビューなどを終えて着替えも済ませた古賀が装着場にあらわれると、「今やるぞ」と優しい(?)笑顔を向けるのだった。

 古賀は急いで水神祭用の着替えに走り、戻ってくるとなぜか3号艇のカポックまで手にしていた。川上先輩が優しくジャンパーとTシャツを脱がせ、そこに優しくカポックを着せると、ついには優しくズボンも脱がせてしまった。さらに、両足の靴下を脱がせてあげる、優しすぎる川上先輩。駆けつけた吉田拡郎が「上半身裸にカポック、スパッツ、裸足」の古賀を見て、「お前、なんちゅーカッコしとんじゃっ!」と大笑いするほど、不思議なスタイルなのであった。これはあくまで川上先輩の作品です(笑)。「もう30歳になるのに!」と古賀は連発していたが、こんな30歳がいてもいいんじゃないかな(本当は28歳)。

 

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 深川先輩も非常に優しく、峰にお前も飛び込め、との指令。「エンジン吊り出なくてもいいから」と気遣うあたり、本当に優しい(笑)。しかし峰はそれを本気にしなかったのか、特に準備をしないまま古賀をボートリフトに導いている。

 というわけで、さあ行こう水神祭。深川、川上、峰、拡郎、さらに毒島誠、萩原秀人が参加(森永淳は2R出走のため欠席)。ワッショイスタイルで高々と持ち上げると、激しく水面へと投げ込んだ。そして、やっぱり! 峰竜太も深川に押されて、水面に落ちたのであった(笑)。「あぁ~、靴がぁ~、これどうしたらいいの?」と靴が濡れてしまったことを嘆いていたけど、だから深川先輩が言ったじゃないっすか。自己責任です(笑)。優しい深川先輩は、陸に上がった古賀を祝福しながら、もう一度突き落とす!「寒い! 寒い!」と叫びながら、古賀はほうほうのていで陸に戻ったのであった。で、そこに登場、仲口博崇。祝福するふりしてもう一度ドボーン! 古賀は派手に両手を広げて、3度目の水中を味わったのでありました。みんな優しいなあ(笑)。

 

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 とまあ、大盛り上がりの水神祭だったわけだが、古賀にとっては本当に嬉しい瞬間となったに違いない。なにしろこの男、これまで遠回りの連続だったのだ。2年連続で新鋭王座準優F。SG初出場だったダービーでもフライングを切っている。昨年もクラシックに出場できるはずだったが、2月の前検遅参により棒に振った。そのペナルティで1年間、SGとプレミアムGⅠの選出除外となっている。本来であれば、とっくにSG水神祭など終わらせていておかしくなかった。いや、順調ならもう何年も前に済ませていただろう。それだけに、やっとひとつの区切りをつけられたことは嬉しくなければおかしい。着替えを終えた古賀に声をかけると、ピュアな笑顔を浮かべている。

 そのうえで古賀は、「これで準優に望みがつながったのが大きい」と言った。水神祭が目標ではなく、その先にこそ真の目標があるということだ。その前の向き方は、SGレーサーにふさわしい。単なる初1着の思い出だけを持って帰るつもりはないわけだ。古賀は遠回りをしたことで、他の選手が見ていない、たくさんの景色を見たことだろう。それは強みにもなるはずである。また、遠回りした分、これからいいことが山ほど降ってこなくてはおかしい。それは今節かもしれないし、別の舞台かもしれないが、階段をひとつ上がったことで、古賀はますます強くなるのは間違いない。

 古賀繁輝、おめでとう! 次の水神祭はもちろん、SG初制覇だ!

 

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 古賀以外にも。

 平本真之が本体整備をしていた。今日の午前中のピットは、雨のせいか閑散としており、装着場で選手の姿を見るケースが実に少なかった。ペラ室にもちらほら見られるだけで、だからエンジン吊りのときには控室から続々と選手があらわれるという感じだった。そんな空気の中で、ふと整備室を覗いたら、平本がいた。動きが少なめのピットにあっては、なかなか印象的な光景であった。

 

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 市川哲也の気合が、やっぱり目を惹きますね。3R、5号艇5コースで快勝! 連勝である。川﨑智幸に祝福されると、さすがにヘルメットの奥でミルキースマイルを見せていたが、ヘルメットを脱ぐとあらわれたのは精悍な顔。外枠をひとつ克服しての1着は非常に大きいはずだが、まったく気を緩めるつもりはなさそうだ。9R3号艇も予選突破への意欲を感じさせるレースを見せてくれるはずだ。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)