BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

TOPICS 3日目

 

THE勝負駆け①ボーダー争い

西島、残った!

 

 

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 今節、私がもっとも力を入れて応援しているのは西島義則だ。2年前の生死を彷徨った大ケガからミラクル復帰。それだけでも十分に嬉しいのだが、贅沢なもので復帰したら復帰したで、あの強い強い西島が見たくてたまらない。そんな思いで児島に駆けつけたわけだが、あろうことか初戦からコンマ40台のドカ遅れを連発……543という不甲斐ない成績で予選のラストレースを迎えてしまった。予選突破の条件は、崖っぷちの1着のみ。

 

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 待望の1号艇だけど大丈夫なのか、スタートは行けるのか、西やん??

 祈るようにその姿だけを追いかけた5R、西島はコンマ17のスタートからやっとこさという感じで逃げきった。早めに起こしてからスタートの50m手前までずっと上体を直立させて大時計とニラメッコしていたあたり、今節はスタート勘がまったく掴めていないのだろう。機力も贔屓目に見て中堅上位レベルまでか。それでも、ステージレベルが上がれば上がるほど本領を発揮するのが安芸の猛将だ。明日は鉢巻を締めなおし、ピットアウトから大暴れしてくれるだろう。

 

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 山室展弘の予選突破も嬉しい限りだ。昨日まで262という煮え切らない成績で、3着条件という微妙なノルマを残してしまった。が、そこは艇界きっての超大物エンターテイナーである。インコースからコンマ02!!という怒涛の踏み込みで、この半端な状況にケリを付けた。ちゃらんぽらんなようでいて、やるときゃやる男なんです。で、山室と言えば公開勝利者インタビューだ。ぶっちゃけ、コレが見たくて応援してるようなもの(笑)。今日の山室はモロ手を挙げてファンの声援に応え、「今日いちばんの人数です」というMCに「ですよね~~♪3万5000人はいるかな」と言って爆笑を誘い、「ソコソコ出てるんじゃないですか」と珍しく機力についても言及し、最後はステージから駆け下りニッコニコの笑顔で最前列のファンと握手を交わしていた。ヤマムローーーー、あんた、おもろすぎっ!! 西やんや熊さんやこっそり今やんの完全Vも応援しつつ、「優勝インタビューは、やっぱ山室が見たいよなぁ」などと思ってしまう、超ミーハー浮気性な私であった。

 

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 一方、大奮闘しながら惜しくも予選を突破できなかったのが高橋淳美だ。昨日まで5着6着。まったく目立たないレースっぷりで今日に至った淳美ちゃん。

 もはや本当に、賞味期限切れになってしまったのか?

 と思ったものだが、どっこい艇界の元祖アイドルはまだまだ食べ頃だった。3Rでは5コースからドカーーーンと一撃まくり。366倍の美味しいメインディッシュを提供すると、11Rでも2コースから気合満点の差しハンドルを入れて2着に食い込み77倍のデザートを振る舞った。この極上のフルコースを味わったファンは、さぞや満腹になったことだろう。昨日までの借金が多すぎて、1・2着をもってしても準優進出戦に届かなかった淳美ちゃん。ただし、A2級の勝負駆けが残っているだけに、明日以降も熟れ熟れの食べ頃レーサーとお伝えしておく。

 

THE勝負賭け②予選トップ争い

ピンピンピンピンピーーーン(笑)

 

 

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 続いて予選トップ争いなのだが…………これはもう(笑)。うん、(笑)で十分すぎるだろう。昨日、ミスターのことばっか書いたし。ただ、圧倒的すぎて笑うっきゃないトップ争いにも、ちょっとした紛れはあったのだ。一連の流れを簡単に記しておこう。

 まず、6Rでミスター今村豊が3コースから軽~くまくりきり、12Rを待たずに予選2位以内(=明日の1号艇)が当確となった。その勝率、10・50(笑)。

 

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 で、9Rで倉谷和信が逃げきり、8・60で予選3位以内が確定。さらに10Rで西山昇一が2着に敗れた瞬間、すでにレースを終えている矢後剛=8・50の4位以内(実質3位か4位)が決まった。残されたイベントは、12Rの暫定1位ミスターVS同2位・熊谷直樹の直接対決のみ。その12Rの勝率変動はというと

★熊谷直樹…①9・00②8・50

★今村豊…④9・20⑤8・80

 

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 そう、熊谷が1着でミスターが5着以下なら、ふたりの順位が入れ替わるのだ。イコール、ちょっとした紛れ。この両雄の因果関係がわかったとき、私の脳裏に凄まじい光景が浮かんだ。

 ミスターが嬉々としてジカまくりに行って、熊さんが嬉々として弾き飛ばす。

 そんな光景だ。それぞれの性質を考えれば、あって不思議じゃない大競りだろう。このふたりが大好物の私なのだが、このレースばかりは嬉々として3号艇・新美進司のアタマ舟券を買った。

 

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 そして……ミスターは例によって異次元の行き足でまくりきった。ミスターよりスタートを張り込んだ熊さんは、あっという間に置き去りにされてしまった。パワー差、歴然。(笑)なひとまくりだった。ちょっとした紛れは、ミクロの芥子粒ほどのちょっとだった。ミスター今村、5連勝でトップ当選。

 はい、おしまいっ!(笑)

(photos/シギー中尾、text/畠山)

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