BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――余裕!

 

 

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 1Rで加藤峻二が3着。今節は機力に苦しみまくったが、やっと舟券に絡む着順をとれた。ピットでレースを見ながら、必死で応援しちゃいました。

 ピットに戻り、西田靖や松野京吾らと楽しそうにレースを振り返っているシーンを見ながら、しみじみしてしまった。西田にはまくられてしまったわけだが、それを悔しがっている場面も含めて、ほんとに楽しそうだったのだ。加藤峻二という人は、心からボートレースが好きなのだなあと思った。勝ちも負けも含めて、ボートレースはこの人のすべてなのだ。やっぱりマスターズには毎年出てもらわねば困る。加藤峻二は我らの勇気である。

 

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 2Rで関忠志が1着。地元マスターズでついに勝利! 関もなかなか結果が出なかったが、やっと納得の走りとなった。インはこの人の庭である。レース後は、関もまた楽しそうだったなあ。関のお相手は、田頭実。たまたま近くにいたのか、関は田頭に話しかけると、延々と会話を続けていたのだ。田頭もニコニコとうなずいている。その様子を見た今村暢孝が、実に嬉しそうな顔で微笑んでいた。大先輩の上気した様子を見てとったんでしょう。関も毎年マスターズにいてほしいなあ。やっぱりレースを動かす存在は、必要である。そして、勝って後輩相手に弾んだ声で話しかける茶目っ気も最高だ。田頭と別れると、対戦全選手に頭を下げにいっている。後輩相手に見せるそんな律儀さも素敵である。

 大ベテラン二人が見せた、心ときめくシーン。うららかな陽気の朝にふさわしい場面であった。

 

 …………で終わりにしちゃダメですかね? 準優組は田頭とノブさんしか出てきてはいないのだけれど……。

 準優組は実にゆったりとしていて、動きがほとんど目立たない5日目の朝、だったのだ。

 

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 写真は西山昇一と森竜也。ふたりが座っているのはピットの一番奥の堤防で、晴れた日には陽が降り注ぎ、最高に気持ちのいい場所なのだ。あ、屋外です。彼らの背中には瀬戸内海の景観が広がり、ここでしみじみするのは本当に爽快。取材の合間にここで海を見ながら休憩していると、舟券の当たり外れなどどこかにぶっ飛んでいくのであります。そんな快適な場所で談笑する西山とドラゴン。西山の余裕っぷりがおわかりいただけるだろうか。

 

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 準優組はおおむねこんな感じで、姿を見せるのはほぼエンジン吊りの際のみ。また、今のところはそれぞれに穏やかな表情をしており、あえて気合がこもった表情を見つけるなら、田頭と熊谷直樹、西島義則だろうか。西島には、ちょっと緊張感も見えたような気がした。緊張ではなく、緊張感です。

 

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 あと、整備室では小畑実成が作業をしていた。もう作業の終盤だった様子で、内容についてはまったくわからなかったが、朝からモーターをボートに装着することなくそこにいたのだとすると、本体の整備だろうと思われる。表情は穏やかではあったが、優出のための最大のヤマ場である今日、勝負をかけた整備をしていてもおかしくはない。

 

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 目立つ動きをしていたのは、ほぼ小畑のみ、と言っていいだろう。ちなみに今日は気圧が上がっている。好天は変わっていないが、回転がより上がりやすい気象条件に変わっているのだ。だとするなら、本格的な調整はやはりもっと後になるだろう。レースにできるだけ近い時間帯に、レースでどんぴしゃに合う調整を施そうということだ。また、このベテランたちは、そのあたりの呼吸をわきまえているはずだ。というわけで、バリバリ噴いてる今村豊も余裕の様子でしたよ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)