BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――地元の気合!

 

 

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 13年ぶり宮島SGのオープニングを飾ったのは峰竜太! 13年前にはまだやまと学校に入学してもいなかった泣き虫王子が、記念すべきグラチャン初日1Rを4カドまくりで快勝した。

 ピットに戻って来るや、右腕を高々と掲げて、深川真二や西山貴浩に歓喜を示す峰。もう、顔はニッコニコである。勝ちっぷりも良かったもんなあ。それでも、他の選手に敬意を表してか、峰の表情はだんだんと落ち着いたものになっていく。隣で平本真之がまくられた悔しさをあらわにしていれば、さすがに笑ってばかりはいられない。それが仁義というものでもある。

 しかし、やっぱり嬉しいものは嬉しい! こちらの顔を見つけるや、控えめにニコニコしつつ「嬉しすぎて顔がにやけてしまいますよ~」とぼそり呟いた峰。ダハハハハ、それが峰竜太らしさです! 嬉しい時は笑い、悔しい時は泣きじゃくる。素直な感情表現が峰竜太である。いきなり“らしさ”爆発で、今節の大暴れを予感させてくれたのであった。

 

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 2Rを勝ったのは前本泰和! 地元勢の先陣を切って登場した前本が逃げ切り勝ちだ。13年前の12R、1号艇は師匠だった。歴史に残る大返還となったあのレース、13年の時を超え、愛弟子が地元勢の先鋒として2Rを戦い、同じ艇番から勝利をおさめた。これも宮島の歴史を彩るひとつの出来事だろう。

 峰とは対照的に、前本に笑顔はなかった。もともと感情をあらわにするようなタイプではないが、その精悍な表情からは気合が消えておらず、地元SGへの思いが明らかに浮かび上がっていた。出迎えた市川哲也も辻栄蔵も、たかだか1勝で歓喜をあらわにするつもりなどなく、淡々とエンジン吊りをしている。これもまた、宮島SGに懸ける思いの発露のように思える。

 

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 1R前、辻と山口剛が試運転後に係留所で話し込む姿があった。さすがにレースまではまだ時間も残されているから、にこやかな語らいではあったけれども、誰よりも知り尽くしたこの水面で、最高峰のバトルを戦えることの喜び、そして必勝の思いは共通していただろう。並んでピットに戻ると、表情をぐっと引き締めて、それぞれの作業に戻っていった。それもまた、闘志を感じさせるものであった。

 やはり広島カルテットは今節の主役で間違いなし! それぞれの戦いぶりから目を離すわけにはいかないぞ。

 

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 ところで、開会式で「坊主宣言」をして、ちょっぴり前髪をバリカンで刈っていた西山貴浩。記者席では「本当に刈ってたのか?」という声が聞こえてきていたので、ピットで確かめようと思ったのだが、開会式後はペラ叩きに専念しており、なかなか確認ができなかった。ジロジロ見るのも失礼だしねえ。ま、西山のことだから、笑って許してくれるだろうけど。

 3Rの展示準備後、やはり3R出走の寺田祥とピットに引き上げ来る姿が。寺田の視線の先は……前髪! そして西山は前髪のあたりをちらちらと触っている。大笑いししているテラショーを見ると、やはり開会式の話題であろう。ひとまず、本人の言葉どおり、開会式の状態で3Rは走っております。このあと本当に丸坊主になってあらわれるのかどうか、もちろんこの欄でお伝えさせていただきます(笑)。お楽しみに。(黒須田)