BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――高気圧レーサー!

 

 

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 まずは無事開催となって何より! 三国水面は次第に向かい風が強くなってきており、雨も降ってはいるが、予想よりは穏やかな状況だ。

 雨が降ろうが風が吹こうが、選手たちは朝から絶賛調整中。雨に濡れながら試運転をしている選手も多く、もちろん不快ではあるだろうが、そんな様子も見せずに懸命に走っている。足合わせを終えて係留所に戻ってきた吉村正明と吉田拡郎は、感触についての感想を笑顔で交わし合う。その笑顔がなんとも爽やかで、見ているとジメジメした空気を忘れさせてくれる。

 

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 スッキリした表情の代表格は、やはり石野貴之だ。あの足だもんな~。今朝は装着場で作業をしている姿を見かけた。昨日まではほとんど作業らしい作業をしている様子を見ていないので、珍しいなあ、台風接近で気配が変わったりしたんだろうか、などと想像していたら、何のことはない、今日は3Rに出走なのだった。その準備をしていたわけである。その3Rはカドまくり快勝! 石野の心中はまさしく強力な高気圧に覆われているだろう。

 

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 その石野に菊地孝平が話しかけ、しばし会話を交わす。石野の涼しげな顔つきがやっぱり印象に残るが、菊地も実に明るい表情だ。ふとグラチャンの菊地を思い出す。まるで視界をシャットアウトしたかのように一点を見つめ、表情を険しくする。脳裏に渦巻いているのは、おそらく調整の方向性とレースでの戦略。脳内コンピュータがフル稼働している菊地孝平、なのだが、つまりは状態が思わしくないわけである。そんなときの菊地は、すれ違いざまにこちらに気づいても、心ここにあらずといった感じ。だが、今日はまったく違う。菊地のほうからこちらに気づいて、爽快な挨拶を投げてきたのである。朝の挨拶って、けっこう感じるものがあったりするんです。今日の菊地は間違いなく気分上々である。

 

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 1R、山田康二がイン逃げ快勝。この勝利で、明日は勝負駆けがつながった。大事な1号艇、大きな勝利、だったのだ。

 ピットに戻った山田は、爽快な笑顔! 山田って笑うとけっこう童顔ですよね。なかなかかわいらしい笑顔だ。出迎えた三井所尊春も笑顔! SGでの佐賀コンビといえば、多くは深川真二&峰竜太。その二人が不在の今節は、三井所&山田という新鮮なコンビだ。グラチャンで佐賀コンビが揃って優出。こちらの佐賀コンビは続くことができるか!?

 

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 湿った空気を吹き飛ばすような表情がある一方、この空気同様に表情が湿ってしまっている選手ももちろんいる。

 井口佳典は1R3着。ようやく舟券圏内に入れたわけだが、その程度で納得する男ではない。機力も決していいとは言えないだけに、表情は一向に冴えることはない。着替えを終えたあとに報道陣のインタビューを受けていたが、厳しい顔つきは変わらない。漏れ聞こえてきた言葉にも、井口特有の歯切れの良さが感じられなかった。

 

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 それ以上に厳しい表情は川上剛。こちらは大敗続きで、しかも昨日は不良航法をとられてしまっている。明るい表情になれるわけがない。元気者・川上とは思えない元気のなさで、1R後には後半5Rの準備をしながら溜め息もついていた。うーん、川上らしくないぞ! なんとか結果を出して、いつもの陽気なたけしを見たい! いまちょうど5Rのスタート展示中だが、コースは4カドになりそう。がんばれ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)