BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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三国オーシャンカップ優勝戦 極極私的回顧

任務遂行!!

 

12R優勝戦 並び順

①石野貴之(大阪) 11

②田中信一郎(大阪)14

④川﨑智幸(岡山) 13

③前田将太(福岡) 12

⑤太田和美(大阪) 13

⑥菊地孝平(静岡) 16

 

 

 

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 石野貴之、5年ぶり2度目のSG制覇、おめでとう!!

 さて、あとは何を書こう。メイチの気合で33号機を引き当てたモーター抽選から、ブッチギリの成績でトップ当選した4日目まで、私は日々石野のことを書き続けてきた。そして、書くたびに「優勝は石野だ」という確信を深めてきた。単に33号機が抜けているというだけでなく、石野の精神的な強さも際立っていたから。次から次へと襲い掛かる強敵を自力で攻めつぶしていく姿は、アニメやゲームのヒーローのように見えた。本人は「エンジンのおかげ、自分はただ乗っていただけ」と謙遜するが、シンクロ率200%の技術と整備力、そして心があればこその快進撃だった。

 ただ、石野を真っ向から打ち破ることができるかも知れない、と思える男がひとりだけいた。常識では推し量れない、しかも今節はとてつもない覚悟と決意を秘めた男。その男が暴走モードのような状態に突入したときのみ、石野33号機にもエマージェンシーランプが点る。そう勝手に考えていた。それはなぜか妙に寓話的なイメージで、私はその結末のまったく読めないファイナルバトルを心待ちしてもいた。

 

 

 

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 だが、その男は昨日、他の勇者に打ち倒された。私の脳内で勝手に膨張していた寓話は、その瞬間に未完成のまま終結した。残されたのは「石野が優勝する」という100%の確信であり、それっきり私はこのV戦線について考えるのをやめた。もう少しだけ夢=寓話の続きを見たかったけれど、まあ、いつだって現実ってのはそんなに甘いもんじゃない。

 ただひたすら、シンクロ率200%の石野貴之×33号機の強さだけが際立ったシリーズだった。(photos/シギー中尾、text/畠山)

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