BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ベテランの姿勢

 

 

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 今朝も山川美由紀が本体整備! こうなると、鬼気迫るものを感じますね。その背中を見て、平山智加や平高奈菜も刺激を受けるはず。2R発売中には整備を終えて、手早く装着を終えると、風のように水面へと飛び出している。8R登場で、たしかに時間がそれほど残されているわけではないが、この素早さが超一流の証しだ。見ているこちらとしては、ただただ唸るのみである。

 

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 寺田千恵の表情に鋭さが増していると見えたのは気のせいだろうか。今節はやや機力に苦しみ、整備もしていた。暑さもあってか、やや冴えない表情を見たこともあった。だが、いよいよ勝負どころに差し掛かって、スイッチが入ってきた? まあ、そういう先入観をもってテラッチを見ているので、何割か増しの感想であることは否定しない。それでも、数多くの修羅場をくぐり抜けてきた人の、気持ちの強さを感じるのは確か。岡山勢が不振にあえいだ今節、大黒柱が王国を背負って、勝ち上がりに臨む。

 

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 若手選手がどんどんと台頭してきて、今日は105期の渡邉優美が水神祭をあげたりしているわけだが、山川も寺田も本当に強い! もちろん日高逸子も! その日高は、渡邉の水神祭に参加、まさかのダイブを見せていた。そう、日高が水面に落ちた!

 水神祭の模様は後ほどアップするが、渡邉とともに大量ダイブが発生する賑やかなものだったが、そのなかにグレートマザーも! 最年少の水神祭を、最年長がともに飛び込んで祝うというスペシャルなシーン。ずぶ濡れグレートマザーは、実に楽しそうに笑っておりましたぞ。

 

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 彼女もベテランの部類に入るだろうか。中里優子だ。今節は、本当によくプロペラ室にいるのを見かけた。良機46号機のポテンシャルを引き出すべく、奮闘してきた3日間だったのだ。今日も早い時間からペラ室にこもった。覗き込むと、まだ進出戦組の姿はあまり見かけられない。そのなかで、中里は黙々とペラを叩いていた。

 ちなみに、隣にいたのが細川裕子。9Rの1、2号艇。Wユウコだ。時折会話を交わしたりもしていた二人、腹のうちにはいろんな思いがあったりする? 細川も足はかなり良く、Wユウコは機力の良さに慢心することなく、やるべきことをきっちりとやっていたわけである。

 

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 若手だってもちろん頑張る。序盤の時間帯、装着場に突っ立っていて、いちばん姿を見たのは竹井奈美だったと思う。水神祭にも参加していたから、竹井を目にする機会は相当に多かったわけだ。竹井も今節は整備や試運転に精を出していた一人。登番的にも、新兵の仕事などもこなしたりして、かなり忙しそうに動いていたものである。それは今日も変わらない! 渡邉と一緒に飛び込んだ水神祭のあとも、素早く着替えて装着場に姿をあらわしていた。その精勤ぶりに一票! ちょろっと舟券買ってみよう。

 

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 中堅だって頑張る! 茶谷桜もまた、装着場で何度も姿を見たひとり。昨日まではとにかくペラ調整の姿が印象に残った。丸亀では、プロペラ調整室の外にも調整所がある。装着場の隅のスペースを利用した、いわば臨時調整所だ。SGでは、銀河系軍団がここの常連。地元勢もここにいることが多いかな。今節は、やはり地元の平高奈菜、そして茶谷桜と永井聖美の83期勢が主になっていた。

 ここはプロペラ室ではないのである。装着場である。つまり、冷房など入っていないのだ。そこで茶谷はひたすらペラ調整に励んだ。昨日などは、かなり強く木槌を振り下ろしている場面もあった。試行錯誤しながら懸命に仕上げ、そして予選を突破したわけである。

 今日はまだ大きな動きを見せてはいなかったが、レースに向けて調整や試運転が加速していくだろう。6号艇でも侮るべからず、だ。

 

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 さてさて、24位でギリギリ予選突破の長嶋万記。1Rのエンジン吊りでは、小野生奈の肩を抱く場面があった。小野がFを切っていなかったら、予選落ちだった。さまざまな思いはあったはずで、そのあたりの何かを話してたのかなあ、などと深読みした次第だ。

 もちろん、ツキがあるということを長嶋は認識している。もうひとつ、とにかく3着に入るしかないということも。準優進出戦は各レース上位3名が準優へ。これで12名だが、残りの6人は4~6着のなかで初日から4日目までの得点率上位である。24位で予選突破の長嶋は、4着以下となれば事実上、上位6人に入るのは無理。今日は3着条件の勝負駆け、なのだ。

「ベストを尽くします!」

 大師匠・服部幸男の決めゼリフで決意を表明してくれたぞ。ちなみに足は良化中。今朝は渡邉優美と変わらなかったそうだ。1Rのあの場面が、緑のカポックに変わって11Rでも再現されたりして!?(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)