BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――動きが早いぞ

 

 

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 1R展示が終わったころにピットに入ると、係留所に細川裕子の姿。あら、早くない? 細川の出番は10R。5時間後の出走だ。すでに暗くなっているはずの時間帯。午後2時すぎのもっとも暑いタイミングで試運転をしているのが、ちょっと異様に感じたのだ。

 細川だけではなかった。滝川真由子のボートも係留所にある。その後も、山川美由紀や大瀧明日香、谷川里江も早い時間帯に次々と着水していき、とにかく動き出しが早かったのである。細川にいたっては、いったん陸にボートを上げて、調整をして、また水面へ、という動きを繰り返していた。もちろん気温が下がる夜のことを考慮しながらの調整であろう。細川は足がいいはずなんだけどな……。それでも万全を尽くすのが細川スタイル。炎暑などものともしないのである。

 

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 その試運転の光景が象徴するように、準優組の動きはとにかく早かった。準優日の早い時間帯というのはベスト18の姿を探すのを苦労することもたびたび、エンジン吊りでようやく見かける、なんてことが当たり前である。しかし今日は、準優組の姿をまとめて発見したりした。たとえば整備室。魚谷香織が本体を割っており、そこに山下友貴が加わっている。まあ、準優日の前半の時間帯に、外枠の選手が一発勝負の整備をしているケースはままあるもの。それ自体は珍しいとは言い切れない。

 

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 そこに、日高逸子も参戦。日高も実は1R発売中に試運転をしており、陸に上がって整備室へ直行。本体を割り始めている。少し時間を置いて覗きにいったら、日高は何枚かのピストンリングを手に、じっと見つめているところだった。交換だろうか。それとも点検? そういえば、日高も外枠だ。昨日は3カドを見せた日高の、今日の戦略は? 頭のなかで作戦を練りながら、それに見合った仕上がりを目指すということだろう。

 

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 さらに、山川美由紀も整備室に入っている。山川の姿を毎日、整備室で見てるよなあ。思い出すのは第1回クイーンズクライマックス。劣勢な機力を立て直すべく、連日の猛整備を行なっていた。それで優出までもっていったのだから、さすが。今回も行動自体はよく似ている。今日の山川はギアケース調整。外回りの整備だ。その後、ペラ室に入って調整。そして、水面へと向かったわけだ。動き出しも早いが、動き自体も素早い。これぞパワークイーンの真骨頂である。

 

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 そのほかの準優組も、プロペラ調整室に姿は見られ、また装着場でも見かけられている。平山智加が自艇のもとでプロペラをじっと見つめて、ひとつうなずいたかと思うと、ペラ調整室へと向かったり、竹井奈美が丁寧に装着作業をしていたり。寺田千恵が作業をしながら、隣にいた長嶋万記に楽しそうな声をかけているのも見かけた。平高奈菜と川野芽唯が真剣な表情で話し合っている場面も。あ、平山&平高の香川ひらひらコンビが笑い合っているシーンも見ました。エンジン吊りでしか姿を見かけなかった選手はというと…………香川素子と松本晶恵くらいか。準優1号艇コンビである。

 

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 香川は今日もイヤホンを耳にしており、昨日と同様の雰囲気だ。緊張感は昨日以上に高まってレースに臨むはずで、それに抗うべく自分の世界を作っている。

 松本はかなりリラックスしてましたね。後輩の櫻本あゆみと、こんな絡みも見せてました。

 

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 髪の毛クシャクシャクシャクシャ。

 

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 こんなんなりました。

 

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 ダハハハハハ!

 

 なんて、もろリラックスモードである。もちろんレースが近づけば目つきも厳しくなっていくだろうが、ひとまず自然体で過ごしている印象だ。香川と松本は対照的な表情だったわけだが、個人的に雰囲気がいいのは松本のほうと見えた。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)