BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ますます静か

 

 

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 今朝は昨日よりもさらに静かなピットだった。整備室はついにもぬけの殻。ペラ室も数人がいるだけで、装着場にはイケメンが作業する姿のみ。あ、もちろん篠崎元志です。SGの3日目といえばこんなものだが、今節は3日連続で似たような状況。いや、日を増すごとに静かになる、か。心もとない推測だが、今日まで天候が非常に安定しており、気温も湿度も気圧もほとんど変化がない。朝と終盤の差も小さく、足がいい選手は微調整で済むのだろうし、2走乗りの選手はまず前半走ってから大きな調整に入るということだろう。浜名湖は毎日気持ちのいい秋晴れ。調整もしやすいんだろうなあと思われる。

 

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 昨日までと違う動きをしていた選手がいるとするなら、吉田拡郎があげられる。拡郎は昨日までは整備室でゲージ擦りをしていることが多かった。序盤ゲージ擦りはエンジン出ているの法則もあるが、そこまで抜けて出ているかどうかはともかく、拡郎はこれを続けていた。今のところ、ゲージ擦りを見たのは拡郎だけだ。それが今朝は、朝からペラ室だ。もちろん昨日までだってペラは叩いていたが、朝からその姿を見てはいなかったと思う。昨日まで擦っていたゲージを調整に投入したか。狙いがハマれば、さらなるパワーアップが見込めるかもしれない。

 

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 ペラ室には、瓜生正義と三井所尊春が話し込んでいる姿もあった。九州地区同士だから不思議ではないけれども、あまり見かけてこなかった組み合わせだ。当然話し声は聞こえてこないが、瓜生が話している時間が長く、それに三井所が返していくという構図。どちらかというと、瓜生が三井所に相談している、というふうに見える。

 で、その数十分後、二人は装着場で顔を合わせ、瓜生が「三井所、ありがとう!」と声をかけていた。やっぱりか! 昨年の浜名湖グラチャン、優勝戦で深川真二がチルト3度を選択、三井所がつきっきりで3度用のペラに叩き変えるのを見守っていた。深川がアドバイスを求めていた部分もあったはずだ。頼れる後輩、三井所尊春。初日Fが残念だなあ。これに怯まない走りを期待してるぞ。

 

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 さてさて1R、笠原亮が6コースから2着。エンジン吊りの様子を眺めていた僕を見つけると、両手を水平に開いて「セーフ!」だって。とにかく準優には乗りたいと言っていた笠原、これで明日の勝負駆けはかなり楽になっただけに、気分が楽になったか。あるいは、スタートがあまり行けなかったのに結果良し、の「セーフ!」か。

 笠原が昨日、面白い表現をしていた。「起こすときにGがかからない」。これ、ポジティブかネガティブか、どちらだかわかります? 僕は一瞬わからなかった。というか、変な負荷がかかってないからポジティブな話か、と。ようするに、起こしてグンと前に押すと、慣性の法則(で合ってるかな?)で身体は一瞬後方に残るからのけぞるような格好になる。しかし笠原のモーターの現状はこれがなく、スーッと体が前に進んでいく。つまり、起こしの足がもうひとつということなのだ。したがってスタートがしにくい、という。なるほどなあ。

 一方で、ターン回りは快調で、20%台のモーターの動きではないとのこと。1Rって、まさにその通りのレースだったのかもしれませんね。スタートさえ決めれば爆発力発揮は必至。このあとはその部分の調整を進めていくことになるだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)