BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――一瞬のリラックス

 

 

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 グランプリ組とシリーズ組が入り乱れる前検。やはりシリーズ組はややリラックス気味か……などというのはきっと先入観だろう。別記事に書くが、グランプリ組は表情や雰囲気の違いがわりとハッキリしている。それに対して、シリーズ組はそれほどでもない。これはおそらく戦う舞台の違いであって、だからこそシリーズ組は緩んでいるという評価にはなるはずがない。

 西山貴浩が僕の頭をジロジロ見て「寒そうっすね~」と笑う。「昨日、ここんとこ(側頭部)にバリカン入れたんすよ。そしたらめっちゃ寒いんすよ。それを思えば……ねえ」とふたたび僕のハゲ頭に視線を向ける。僕はまったく寒くないっすよ、慣れてるから。そう返したら西山は「ガハハハハハ!」と大笑い。やっぱりリラックスしてる!? いやいや、これはいつも通りのニッシーニャである。西山は僕のハゲ頭をどうやら気に入ってくれているようなのだ。

 

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 西山の師匠である川上剛も、笑顔で話しかけてきた。「チャレンジカップ、見てましたよ~。寒そうでしたね~」。チャレンジカップの地上波中継でピット解説をさせていただいた際、MCの荻原次晴さんにリハーサルで煽られた(?)ので、上着を脱いでアロハ一枚で出演させていただいた。スタジオじゃないですよ。ピット解説です。そりゃもう、寒かった。川上はそれを見ていたわけだ。で、今度は川上が煽る。「今日はアロハ一枚じゃないんですか?」。殺す気か! というわけで顔を見合わせて大爆笑。うーん、やっぱりリラックスしてる? いやいや、川上とはオーシャンカップやメモリアルでもこの手の会話は交わしている。もちろん西山も川上も今日はリラックスしてはいるけれども、それは彼らの腹の底に闘志が皆無であるということにはならない。二人ともシリーズのなかでは好モーターを引いたしね。

 

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 ピットの陰では不穏な(?)動きが見えたりした。この3人だ。グランプリ組の守田俊介、シリーズ組の五郎丸……いや石渡鉄兵と次郎丸……いや中野次郎。そーっとうかがってみると、ダハハハハ! 何してるんですか! ワケあって詳しく書くわけにはいかないのだが(明日朝の『スポーツ報知』をご覧ください。節間「守田俊介アワー 回っていいとも」というコラムがあるそうです)、爆笑必至の絵作りが行なわれていた。まったくもう……やっぱりシリーズ組は緩んでるじゃないかと言われるかもしれないが、そうではない。石渡も次郎も、忙しい作業&エンジン吊りの合間に時間を作っているのであって、特に次郎はピット内を走って作業に向かう姿を何べんも見た。

 明日からはグランプリのトライアル1stが始まる。彼らも最高峰の走りを、他の選手のなかではもっとも近い場所で目の当たりにすることになる。それが彼らのレーサー魂をチクチクと刺激することだろう。そんななかで、一瞬のリラックスを見せている前検。僕はその空気がいいなあ、と思った。賞金は安いし、上の18人はいないけど、シリーズもやっぱりSG! 彼らが見せる勝負師の顔にも注目しないわけにはいかないのだ。(黒須田)