BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@グランプリ――気合増量

 

 

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 やはりここからがグランプリ本番なのか。微妙に空気のピリピリ感が増した気がする。あるいは、ベスト6組がいよいよレース当日を迎えて、気合の全体量が増加しているのか。たとえば、石野貴之の顔が昨日とは全然違う。この3日間も、時に獣の目になったりしていたが、今朝の石野はまさに鬼の形相。朝の挨拶すら拒絶するような雰囲気がある。気持ちのメーターは振り切れる寸前だろう。そんな表情のまま、シリーズ組の菊地孝平に話しかけるシーンもあった。すでに2日間走っている、また1Rを走り終えている菊地に何か訊ねているようだった。戦闘のためのデータも着々と積み重ねているのか。

 

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 1stから勝ち上がった選手たちも、さらに闘志を高めている。JLC解説者の青山登さんが「池田浩二の気合がすごい」と言う。たしかに、目つきが怖い。池田の表情に慄然としたのは、昨年の常滑ダービー。生まれ育った地元でのSGに、池田の気合は極限まで高まっていた。あのときに近い感じだ。2R発売中には、本体整備にも取り掛かっている。本体よりはペラというのが傾向だけに、その動き自体に気迫を感じる。

 

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 昨日はヘコんだ中島孝平も、一夜明けて気分を切り替え、寡黙なる闘神を己に宿している。朝はとにかくペラ調整。ペラ小屋にこもって、鋭い視線をプロペラに向けている。表に出るのはエンジン吊りのみで、これが終われば駆け足でペラ小屋へ。昨日のリベンジと言うよりは、今日から始まる新たな戦いへの強い思いであろうが、トライアル1stを経て、より力がこもっているのはたしかだ。

 

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 そんななかで、まるで変わらぬたたずまいが守田俊介。1R終了後、ニュージェネのウェアを着ている若者たちが集合していたので、何事かと思ったら、これが『スポーツ報知』の「守田俊介アワー 回っていいとも」の撮影。守田が今節出場のニュージェネ9人に声をかけ、全員を集めていたのだ。いや~、これだけニュージェネが揃うと壮観。ピットの視線を一気に集めていた。この舞台で、グランプリ5名も含めて全員を揃えるとは、プロデューサーの素質があるぞ、この人。と本人に振ったら「そうでしょ!」と嬉しそう。トライアル2nd2号艇が喜ぶところじゃないと思うが(笑)。ほんと、この人のメンタリティは面白い。

 

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 グランプリ組5名も、よくぞ付き合った! と思ったら、みんな大喜びなのであった(笑)。守田に「ウェア、新しくしたんやろ? お披露目しようや」と丸め込まれ(笑)、すっかりその気になっていたのだ。毒島誠など「これ、プリントしてみんなに1枚ずつくださいよ!」とおねだり。毒島が欲しがった写真は明日の『スポーツ報知』でご確認ください。

 ただし、グランプリ組は撮影を終えると、速攻で作業に戻っていたぞ。その切り替えの早さもさすがである。あ、守田も試運転の準備を始めてましたけどね。さすがの守田も今日はプロエンジン吊り師ではいられない。今日の日中は水面で本来の姿が見られるはずだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)