BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――日常の準優

 

 

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 GⅢの準優勝戦、という意味では、オールレディースでいつも踏んでいる舞台。プレミアムGⅠ開催中のピットであるから、こちらも意識してしまうけれども、そちらのステージを逃してしまったという悔しき思いを除けば、いわば日常の準優勝戦である。

 予選1位の平山智加はどんな表情でいるだろう、なんて想像しながらピットに入り、しかし平山が昨日までと変わらず柔らかい表情でそこにいたとき、その日常感に思いを至らせたという次第。平山としてはとっくに経験済みの状況なのだから、いきなり緊張感が高まるわけがないのであった。もはやGⅠの準優だって、ある程度は平常心でいられるはずだ。

 

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 準優1号艇でいえば、樋口由加里も同様。昨日までと同じように、小柄な体をキビキビと動かして、エンジン吊りを含む雑用系の仕事に飛び回っている。ときどき、滝川真由子や遠藤エミらクライマックス組の同期と短く言葉を交わしていて、緊張感はどう見ても滝川と遠藤のほうが強い。いつも書くようにレースが近づけば話は別だが、今日という日はとりたてて特別というわけではないだろう。

 

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 それにしても、準優組を目で追っていると、常にクライマックス組も視界に入ってくることが多いな。同期だったり仲良しだったりのクライマックス組&シリーズ組の絡みが、本当によく目に留まるのだ。地元で燃える魚谷香織も、藤崎小百合や犬童千秋と話す場面もありつつ、今朝僕が見た範囲でもっとも長く話し込んでいたのは、川野芽唯だ。こちらは、102期トリオとは違って、川野のほうが微笑を浮かべていて、魚谷は真剣な顔つきなのだった。魚谷のほうが相談したかたちだろうか。

 

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 伏兵・赤澤文香と話し込んでいたのは鎌倉涼。おっと、ここは期とか支部とかの共通点が見つからない。年もまあまあ離れている。赤澤は笑顔満開、鎌倉はマスクをしていて下半分が隠れているけれども、目が笑っていた。和やかな歓談風景、という感じだった。赤澤はその後にボートを着水しており、準優に向けた準備のピッチを上げている。

 思えば、クライマックス組とシリーズ組は、今回直接対決はありえない。両者の絡みには、そういう気楽さもあるんでしょうかね。とにかく、思い返せば昨日とかもそうだが、この“コラボ”は随所で目に飛び込んでくるのである。

 

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 もはやベテランの部類に入るのだろうか、海野ゆかり。彼女がクライマックス組と絡むとき、相手は寺田千恵や山川美由紀。寺田は中国地区同士でもある。女子戦がまだここまでクローズアップされていなかった頃、女子選手をアピールしようと奮闘し、もちろんしのぎを削り合い、このジャンルを支えてきた戦友が、彼女たちということになる。4000番台の選手らの人気も高まるが、しかし彼女たちなくして今はなかったのである。海野は今節シリーズ回りだが、だからこそ準優に進んだ今日は意地を見せてほしい! 2R発売中にはボートを整備室に運ぶ姿を目的。わりと短時間で出てきてはいるが、着々と戦闘態勢を整えているということだ。あとは水面で燃えるだけ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)