BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――穏やかに静かに

 

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 ちょっとずつちょっとずつ緊張感が増してきたのかな、という朝のピット。その雰囲気はもちろん、シリーズ組よりはクライマックス組に強く、カタいとは言わないまでも、大一番を控えた朝の引き締まった空気が彼女たちを包んでいる。

 動き自体は決して激しくはない。というより、むしろゆったりしている優出組のほうが非常に多い。装着場にはW優勝戦組のボートがすべてそろっていて、プロペラが外れているのは3艇だけ。クライマックスは大瀧明日香、寺田千恵。シリーズは樋口由加里。それ以外はプロペラがついたままである。朝一番で調整と試運転、スタート特訓があったあとは、12人は公開インタビューに臨んでいる。それから戻ったあと、すぐに動いたのは名前をあげた3人ということになる。といっても、2R終了後までのタイミングでペラを叩いているのを見たのは大瀧のみ。寺田も樋口も、調整はこのあとになるようだった。ちなみに、順位決定戦組はすでに調整、試運転をしていて、山川美由紀や小野生奈が昨日までと同じように動いていた。

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 というわけで、W優勝戦組の12人については、「まだ調整を始めていない」と延々書き連ねることになってしまう(笑)。付け加えれば「最終日なので、荷物の整理をしている」。ちょうど荷物をまとめていた岩崎芳美と顔を合わせたら、ニッカリと笑って「おはようございます」。芳美さんスマイルが爽やかである。その後も荷物の周辺を行ったり来たりしていて、むしろ忙しそうに見えたりしたのだった。

 

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 荷物をまとめているということに関してひとつ特筆すると、川野芽唯がゲージを片付けているのを見かけた。ゲージの入ったプラスチックケースを4個抱え、荷物を置いてあるほうに歩いていく。ゲージ、もういらないの? だとするなら、プロペラ調整はほとんどしないということだ。すなわち形は完全に決まった。あるいは、使用するゲージ以外を片付けたのだとするなら、やはり方向性は完全に固まったということになる。いずれにしても、川野はもうペラに迷うことはないということだ。優勝戦の朝、もう試行錯誤が必要ないのだとすれば、これは大きい。あとは着々と煮詰めていくだけだからだ。

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 ところで、今朝は平山智加と平高奈菜の絡みをよく見かけた。香川同士だから当たり前だろ、と言うなかれ。普段は二人の絡みは決して多いわけではない。平山なら松本晶恵、平高なら鎌倉涼など、まず目につくのは同期の絡み。同支部だからといって、始終いっしょにいるというわけではない。しかし、今朝は二人がセットでいるところを、話しているところが実に目についた。もちろんこれまた始終いっしょにというわけではないが、ふと見ると二人が穏やかかつ真剣な顔で話し込んでいたりする。平山はシリーズの優勝戦1号艇、平高はクライマックス優出。ともに、年の最後に緊張する局面を迎えている。実際のところはわからないが、お互いに気遣い合い支え合っているような光景に見えた。もちろん狙うは香川の連勝。実現したなら、山川先輩も柳澤先輩も大喜びしてくれるだろう。

 

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 川野、平高をあげたところで、鎌倉涼。100期3人が見事に優勝戦揃い踏みを果たした。実は今月中旬、JLCで放送される『同期の絆』という番組の収録を、3人は東京で行なっている(取材に行きました。3月号に掲載します。番組はシャンパン呑みながらの収録で、必見ですよ)。そこでは「3人でクイーンズクライマックスに出場できることが嬉しい」と何度も語り合われていた。それが、クライマックス出場どころか、3人で優出! 鎌倉に「すごいっすね~」と振ると、「ほんとに。最後までですもんねえ(カワイイ)」と笑った。あ、またカワイイって書いちゃった。ニッコリです。こうなったら、100期でワンツースリーだ! 番組(とBOATBoy)に花を添えるのだ!

 

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 最後にクライマックス1号艇の三浦永理。言うまでもなくもっとも重圧がかかる立場だが、今朝の時点は昨日までと変わらない表情です。すでにティアラを一度手にしている余裕? そうでなかったとしても、いい精神状態で優勝戦へ向かっていけそうだ。震えてハンドルをミスったりすることは、きっとないだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)