BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島バトルトーナメント・ファイナル私的回顧

単騎ガマシで一発KO!!

 

12Rファイナル 並び順

①松田祐季(福井)15

②松村 敏(福岡)19

③峰 竜太(佐賀)21

⑤赤坂俊輔(長崎)23

⑥山﨑昭生(香川)16

④今井美亜(福井)31

 

 

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『北陸のミーアキャット』が大外の見えないところから、猫のように俊敏な割り差しを決めた。5コースの昭生が強引にまくり、峰がそれを張り飛ばし、単騎ガマシの美亜が突き抜ける。史上初の一発勝負トーナメントに相応しい激闘でもあった。

 このイベントについて振り返っておこう。一般戦にも関わらず、平和島は連日大盛況。目標の25億円をはるかに超えて、成功裏に終わった。レース的にも初日のトーナメント、2日目の復活戦&セミファイナル、そして今日のファイナルと、進入からゴールまでガチンコの真剣勝負を堪能できた。素晴らしい試みだったと、改めて銘記しておきたい。

 

 

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「企画シリーズは生き物」

 これが私の持論で、その可能性を大きく開拓した3日間でもあった。もちろん常に「○○社杯」などのメインタイトルがあっていいのだが、個性的な企画とそれに見合うサブタイトルが付くシリーズを要所要所に配してもらいたい。すでに大村ボートでは、施行者があの手この手でファンを楽しませる企画を提示している。他の施行者からもそれぞれの創意工夫を感じるのだが、さらに競走会の業務課や斡旋課、振興会などとアイデアを交換し合ってより斬新な企画シリーズを考案してほしい。たとえば「24場制覇アタックシリーズ」(24場制覇にリーチ、またはそれに近い選手を集めて盛り上げる)は、すぐにでも実現できる企画だし、ファンの耳目を傾けるだけの話題性もあると思う。今節は全国規模で「たかが一般戦」を「されど一般戦」に意識改革させたのではないか。全国のファンの中にも「我が地元のプールでも、面白い企画シリーズを」と思った人は少なくなかったと思うぞ。今節のようなスターレーサーを一同に集めるのは難しいだろうが、ちょっとした工夫でファン心をくすぐるシリーズが可能だ、と私は思っている。

 

 

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 一方、今節の課題をひとつ挙げるなら「最終日のあり方」だろう。初日、2日目は謳い文句の通り「史上初の一発勝負」という魅力に満ち溢れていた。が、今日の売りは選抜戦&優勝戦だからして、見た目には通常の一般戦・最終日と変わる部分がなかった。来年以降は、この最終日の盛り上げ方をしっかり考えてもらいたい。私のアイデア(すでに去年のBB誌に書いているが)は、こうだ。

 

『全選手参加トーナメント! ボートレース甲子園』

★全国24場で約50選手の予選バトル(計1200名、F休みや辞退者を除けばほぼほぼ全レーサー。システムは今節と同じような感じでいいと思う)を行い、優勝&準Vレーサーがバトルトーナメント本戦へ。

      ↓

★全場代表の48レーサーで今節と同様のバトルトーナメントを行い、優勝者にはSGクラシック参戦の権利などの賞典を与える。

 

 別に難しいことは言っていない。選手からすれば、今節と似たようなトーナメントを2度やるだけだ。それだけで「全レーサー参加の一発勝負バトル、1200人の頂点に立つのは誰だ??」という大きな触れ込みができる。これこそ完璧な“トーナメント”だし、本物の「ボートレース甲子園」だと思うぞ。で、ここまですれば、ファンも優勝戦の行方がメチャクチャ気になるだろう。1200人の頂点なのだから。格付けとしては、予選が一般戦で、本戦がGⅡ程度が妥当だと思うのだがどうだろう。

 

 

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 いろいろ書いたが、とにもかくにも女子レーサーの今井美亜が初代BTチャンピオンに輝いた。このシリーズがさらに進化と隆盛を遂げてゆけば、美亜ちゃんはいつかレジェンドになるかも知れないな(笑)。その日が来ることを願いつつ、変則スタイルで参加し続けた平和島の記者席から立ち去ります。舟券は散々だったけど、美亜ちゃんのうるるん顔を肴に、美味しい酒を飲むぞ~!!(photos/チャーリー池上、text/畠山)