BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――明日は早くも勝負駆け

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221140305j:plain

 終盤の時間帯になっても試運転を繰り返す選手の姿が目立った。SGでもまあある光景ではあるが、2日目というのはどうだっただろう。感覚的には、2日目よりも3日目、という気がする。これが女子戦になると、日次はまったく関係なく、若手選手を中心に多くの選手が駆けまわっているのだが。とにかく、2日目にここまでというのは、まずは珍しいのではないかと思えた。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221140319j:plain

 ふと思い出す。今節は準優進出戦が行なわれる。つまり、明日が勝負駆けなのだ。試運転を確認できたのが、金子良昭、日高逸子、熊谷直樹、柳田英明。熊谷は比較的楽なポジションだが、あとは明日勝負駆けを戦わねばならない面々。少しでも上積みをして、明日につなげたいところなのだ。日高は試運転を終えると、本体整備にも取り掛かっていた。試運転の感触をさらに煮詰めていこうということだろう。いつものペースで仕上げていては間に合わない。とにかく精力的に動く必要があるわけである。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221140337j:plain

 終盤レースに出走し、そして明日は勝負駆け臨むことになりそうな選手は、試運転こそもう不可能でも、やはりレース後の動きが早くなる。前回びわこマスターズの覇者・江口晃生は予想外の苦戦を強いられている。着替えを終えると、大急ぎでペラを外して調整室へ。途上で同期の金子良昭に出くわすと「やべえ!」と顔を歪めて叫んでいる。10R出走だった江口、今日の調整時間はもうあまり残されていない。しかし、明日に回すわけにはいかない。焦りの色を浮かべながらペラを叩き始めた江口。短期決戦はびわこ2連続優勝中の名人にも容赦なく厳しい戦況を強いるわけである。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221140352j:plain

 一方、得点率上位者にとっては、短期決戦はやや有利な状況となる。たとえば、2日目終了時点で予選トップの西島義則は、準優進出戦進出はもちろん当確。しかし、これが通常の予選4日制の場合、ここから大敗が続けば予選落ちの可能性があるのだ。もちろん、進出戦大敗も許されはしないが、ここで勝ち上がりのステップをひとつ確実に上がれるのは大きい。今日の西島は連勝で、2勝ともが似たような展開。どちらも2コースで、外からまくられながらも2番手に残し、1Rはまくり差してきた熊谷を2マーク逆転、7Rはまくり切った富山を2マーク逆転。ツキも味方したと思われる連勝に西島はゴキゲンで、足に好感触も得たのだろう、レース後はゆったりとした雰囲気で過ごしていた。明日からも着々とVロードを構築していくことだろう。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221140408j:plain

 あ、そうそう。10R2着の山川美由紀と長岡茂一の57期コンビの絡み、まさにそのレース後に目撃しました。逆転2着で笑顔の山川に、長岡が声をかけて笑い合う、という場面だった。長岡はその後の12Rで今村豊をまくって1着、これで当確ラインを超えた。山川は、昨日の後半大敗を巻き返して、明日は5着条件という位置にまで上ってきた。57期は小畑実成も当確、吉田隆義は3着2本という条件。あともう一人、亀本勇樹は苦しい状況……。5人で進出戦揃い踏みは難しいだろうが、できるだけ多くを送り込み、準優、優勝戦と勝ち進むべく、明日も奮闘を見せることだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)